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秀山祭九月大歌舞伎

秀山祭九月大歌舞伎

当公演は終了いたしました。

2007年9月2日(日)~26日(水)

昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30分~

劇場:歌舞伎座

料金(税込)

  • 1等席15,000円
  • 2等席11,000円
  • 3階A席4,200円
  • 3階B席2,500円
  • 1階桟敷席17,000円

上演時間

  • 竜馬がゆく
    立志篇

  • 幕間 30分
  • 一谷嫩軍記
    熊谷陣屋

  • 幕間 25分
  • 村松風二人汐汲

  • 壇浦兜軍記
    阿古屋

  • 幕間 30分
  • 新古演劇十種の内 身替座禅

  • 幕間 20分
  • 秀山十種の内 二条城の清正
    清正館・二條城・御座船

演目と配役

昼の部

一、竜馬がゆく(りょうまがゆく)

立志篇

坂本竜馬
桂小五郎
池田寅之進
中平忠一郎
山田広衛
すぎ
千葉重太郎
勝海舟
染五郎

宗之助
種太郎


高麗蔵

一谷嫩軍記

二、熊谷陣屋(くまがいじんや)
熊谷直実
相模
藤の方
梶原景高
亀井六郎
片岡八郎
伊勢三郎
駿河次郎
堤軍次
弥陀六
源義経
吉右衛門


由次郎

宗之助

吉之助

富十郎

三、村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)
松風
村雨
玉三郎

夜の部

一、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)

阿古屋

遊君阿古屋
榛沢六郎
岩永左衛門
秩父庄司重忠
玉三郎
染五郎
段四郎
吉右衛門
二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)
山蔭右京
太郎冠者
侍女小枝
侍女千枝
奥方玉の井
團十郎
染五郎
右之助

左團次
三、秀山十種の内 二條城の清正(にじょうじょうのきよまさ)

清正館

二條城


御座船

加藤清正
豊臣秀頼
藤堂和泉守
清正妻葉末
井伊直孝
茜染千之助
吉本又市
侍女芦屋
森作右衛門
飯田覚兵衛
池田輝政
浅野幸長
本多佐渡守
大政所
徳川家康
吉右衛門




男女蔵
種太郎
吉之丞

由次郎
友右衛門

段四郎

左團次

みどころ

昼の部

一、竜馬がゆく(りょうまがゆく)

  立志篇

 安政元年。ペリー来航に人々が右往左往するなか、「あの黒船が、欲しいのう」と豪語する土佐藩の郷士坂本竜馬(染五郎)に出会った長州藩の桂小五郎(歌昇)。二人は藩の将来について意気投合します。
 その後、土佐に戻っていた竜馬は、上士と郷士の対立の犠牲になった友寅之進の亡骸を前に、尊皇攘夷に命を捧げることを誓い、脱藩。翌年、千葉道場の千葉重太郎とともに軍艦奉行の勝海舟(歌六)を訪ねた竜馬は、世界的視野で国の進むべき道を説く勝に感銘を受け、弟子入りを願い出ます。
 原作は、ご存知司馬遼太郎のベストセラー。3年前にテレビ時代劇で竜馬役を好演した染五郎が、今度はその歌舞伎化に挑みます。

二、熊谷陣屋(くまがいじんや)

 熊谷直実(吉右衛門)の陣屋では、初陣の息子小次郎の様子を心配する熊谷の妻相模(福助)と、やはりわが子平敦盛の安否を気遣う藤の方(芝雀)、堤軍次(歌昇)が、主人の帰りを待っています。
 帰陣した熊谷は、敦盛を討った様子を語り聞かせますが、義経(芝翫)の前で首実検に供されたのは、小次郎の首。〝後白河院の落胤である敦盛を助けよ〟との制札に託された義経の内意を察知した熊谷は、我が子を身替わりにしたのです。
 救われた敦盛が、石屋の弥陀六実は平宗清(富十郎)に無事託されるのを見届けると、熊谷はあらかじめ決意していた出家の姿となって、陣屋を後にします。
 相模と藤の方を制札で留める「制札の見得」や首実検、花道での「十六年はひと昔。夢だ...」の名せりふなど、九代目團十郎を経て初代吉右衛門が完成させた熊谷の人間像を、衣鉢を継ぐ二代目がていねいに描き切ります。

三、村松風二人汐汲(むらのまつかぜににんしおくみ)

 須磨の浦に流された在原行平が、かの地で契りを交わしたという海女の姉妹・松風(玉三郎)と村雨(福助)。行平が残した烏帽子と狩衣を身にまといながら、二人は行平をしのんで踊ります。
 謡曲『松風』を素材にした歌舞伎舞踊『汐汲』。今回は踊り手を二人にした華やかな趣向で、玉三郎と福助の美の競演をお楽しみください。

夜の部

一、壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)

  阿古屋

 源頼朝に恨みを募らせ逃亡中の平景清の居場所を詮議するために、愛人の遊女阿古屋(玉三郎)が問注所に呼ばれます。郎党の榛沢六郎(染五郎)の尋問でも口を割らない阿古屋に対し、代官の岩永左衛門(段四郎)は拷問を主張しますが、詮議の指揮官である秩父庄司重忠(吉右衛門)は、阿古屋に琴、三味線、胡弓を順に弾かせることで、彼女の心のうちを推し量ろうとします。
 拷問代わりの弾き語りは、いわば嘘発見器の役割。阿古屋役は、実際に三曲を演奏し唄いながら、真情を細やかに表現しなければならない女方の大役です。定評ある玉三郎の阿古屋に、知と情を併せ持つさばき役の重忠に吉右衛門が初役で取り組む、注目の顔合わせです。

二、新古演劇十種の内 身替座禅(みがわりざぜん)

 大名の山蔭右京(團十郎)は、愛しい花子のもとへ通う口実に、邸内の持仏堂に籠もって座禅をすると言い出します。が、一日だけならと許可した奥方の玉の井(左團次)が様子を見に行くと、座禅をしているのは、なんと太郎冠者(染五郎)。怒り心頭に発した玉の井は、太郎冠者に替わって座禅をし、右京の帰りを待ち受けます。
 狂言の『花子』をもとにした、人間味あふれる舞踊劇。13年ぶりに右京役を勤める團十郎と、左團次の強妻ぶりが見ものです。

三、秀山十種の内 二條城の清正(にじょうじょうのきよまさ)

 加藤肥後守清正(吉右衛門)は、豊臣秀吉への恩を忘れず、一子の秀頼(福助)に仕えています。
 豊臣家の取り潰しをもくろむ征夷大将軍の徳川家康(左團次)が、秀頼を二條城に招待してきたことに、どう対処すべきか頭を悩ませる清正ですが、秀頼は上洛を決意したとのこと。清正は奥方の葉末(芝雀)の心配をよそに、病身を押して二條城へと向かいます。
 この対面を画策した本多佐渡守(段四郎)をはじめ、藤堂和泉守(歌六)、井伊直孝(歌昇)ら、多くの大名と大政所(魁春)を従えて家康が待ちかまえる二條城に、秀頼は清正と浅野紀伊守幸長のみを伴って到着。清正は警戒の心を緩めず対応し、堂々たる弁舌で秀頼を守り抜き、無事家康との対面を済ませます。
 その帰途の船上。清正の忠誠心に感謝する秀頼を、清正は成長したわが子を思うように、頼もしく見つめるのでした。
 「清正役者」と言われるほど、清正役を得意とした初代吉右衛門。誠実で深い情愛を持つ清正が、名調子のせりふとともに二代目によって甦ります。

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