秀山十種

しゅうざんじゅっしゅ

 "秀山"というのは明治から昭和にかけて活躍し、六代目尾上菊五郎と並んで"菊吉時代"を築いた名優、初代中村吉右衛門の俳名です。

 市川家の≪歌舞伎十八番≫にはじまり、明治から大正期にかけて、


≪新歌舞伎十八番≫(九代目市川團十郎)、
≪新古演劇十種≫(五代目尾上菊五郎)、
≪杏花(きょうか)戯曲十種≫(二代目市川左團次)、
≪玩辞楼(がんじろう)十二曲≫(初代中村鴈治郎)、
≪片岡十二集≫(十一代目片岡仁左衛門)
≪猿翁十種≫(初代市川猿翁)...


というように俳優、家の芸の中でも当り役や好みの役を本人や周囲が選定することがよく行われました。≪秀山十種≫は初代中村吉右衛門を代表する芸、いわば"吉右衛門セレクション"として選ばれた作品です。(み)



解説

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