1944年、八代目松本幸四郎(初代松本白鸚)の次男として生まれる。祖父である初代中村吉右衛門の養子となり、1948年6月の東京劇場『俎板長兵衛』の長松ほかで中村萬之助を名のり初舞台。1966年10月『金閣寺』の此下東吉ほかで二代目中村吉右衛門を襲名。父初代白鸚と初代吉右衛門の芸風を継承し、『仮名手本忠臣蔵』の大星由良之助や『義経千本桜』渡海屋・大物浦の知盛といった義太夫狂言の立役でのスケールの大きさ、人物の陰影を見事に表現する演技に定評がある。『極付幡随長兵衛』や『河内山』といった世話物では、爽やかな江戸気風を舞台いっぱいに感じさせる。2008年には初役で『四谷怪談』の伊右衛門を演じるなど、進取の姿勢を忘れず、時代物、世話物、コミカルな三枚目と広い芸域に意欲的に取り組んでいる。松貫四の名で新作歌舞伎も書く。日本芸術院会員。
●お知らせ:9月2日(水)より歌舞伎座で『二代目-聞き書き 中村吉右衛門』(小玉祥子著、毎日新聞社)を先行発売いたします。