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歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」開幕を前に出演者が勢揃い
8月3日(月)、歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」の初日を3日後に控え、出演者がそろって歌舞伎座正面玄関前に登場し、公演の告知イベントを行いました。
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真夏の日差しが照りつける正面玄関前には、イベント開始前から大勢の歌舞伎ファンの皆さんがお集まりになり、出演者の登場を心待ちにされていました。そこへ、目にも涼やかなそろいの浴衣で出演者17名が現れ、大きな拍手とともに皆さんに迎えられました。
まずご挨拶に立った扇雀が、「勘三郎のお兄さん、三津五郎のお兄さんがつくり上げた納涼歌舞伎。皆で引き継いで精一杯力を合わせ、面白い狂言をお見せします」と述べました。そして、東京では珍しい上演となる『祇園恋づくし』について、「私の父(藤十郎)と勘三郎のお兄さんに当て書きをした大変面白い喜劇です」とアピール。勘九郎は「納涼歌舞伎は私にとりまして宝物の公演、その公演がこれからも続きますように熱い舞台を続けます」、七之助は「小さい頃から楽しみにしていた8月。いつのまにやら“おじさん”の部類に入りましたが、まだまだ頑張ります」と意気込みました。
「勘三郎さん、三津五郎さんが火花を散らしてやってきました。今年は残されたお子さんたちが、歌舞伎の舞台で大きな花火を咲かせてくれると期待しております」と言ったのは秀調。高麗蔵は歌舞伎座新装なってからは納涼初出演、「死にものぐるいで、皆さんに暑さを忘れていただけるように一所懸命勤めます」。亀蔵は「納涼歌舞伎でいろいろな役をやらせていただき、それが今の力になっております」と、勘三郎、三津五郎に感謝しました。彌十郎は暑さに負けない声で、「劇場の中は涼しいです。しかし、舞台上は熱く熱く、皆で力を合わせていい芝居をつくっております!」と、勢いを感じさせる挨拶をしました。
歌舞伎座が新しくなってから、早いもので3回目の納涼歌舞伎と言ったのは橋之助。「念願の『逆櫓』の樋口を幸四郎のお兄様の指導の下、させていただくことになりました。納涼歌舞伎も20数年たちまして、今では平成生まれが多いのですが、私も若手の端に入れさせていただいて…」と、にっこり。巳之助は「十世坂東三津五郎に捧ぐ」とついた2演目に出演しますが、「まだまだ舞台に特別な思いを込められるほど器用ではございませんので、お客様に楽しんでいただけるよう、この夏は大汗をかきながら頑張ります」と、汗をぬぐいながら宣言しました。
新悟は「たくさんの大役を勉強させていただき、ありがたい。天国にいるおじ様たちに届くようにしっかり勤めたい」、児太郎は「お二人ともに亡くなってからは初めての納涼歌舞伎。一所懸命、芸道に精進します」、国生は「勘三郎の伯父が言っていた納涼歌舞伎の戦力に、一日も早くなれるよう勤めます」と、それぞれが納涼歌舞伎を牽引してきた二人への思いを語りました。
宗之助は『おちくぼ物語』に出演、「兵部少輔は通称“鼻の少輔”。鼻を大きくしてお待ちしております」、歌女之丞は『祇園恋づくし』で「彌十郎さんの奥さん役、『夏祭』の三婦とおつぎとはまた違う夫婦を演じたい」と、それぞれの出演演目について述べました。
鶴松は「大きなお役をいただきましたので、必死に勉強させていただきます」、宜生は「これまでの納涼歌舞伎は子どもの役、今回は大人の役で出ますので、一所懸命頑張ります」、隼人は「普段、共演機会のないお兄様方と一緒の舞台に出られることがうれしい」と、若手ならではの気合を見せました。
暑さに負けない舞台への熱い気持ちで、17名がそれぞれに「暑い夏には涼しい歌舞伎座へ」とご来場を呼びかけたあとは、柄杓を手に打ち水を行い、ひとときの涼が訪れたところでイベントはお開きに。あとは初日の幕が開くのを待つばかりとなりました。なお公演中は、出演者の扮装写真と一緒に記念写真が撮れる、「顔出し看板」が設置されます。こちらもぜひお楽しみください。
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歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」は、8月6日(木)より28日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットWeb松竹スマートフォンサイト、チケットホン松竹にて販売中です。