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海老蔵が語る「ル テアトル銀座 三月花形歌舞伎」
3月3日(日)に初日の幕を開ける「ル テアトル銀座 三月花形歌舞伎」に出演の市川海老蔵が、公演への意気込みや勘三郎さんのこと、そして、父、團十郎さんについて語りました。
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勘三郎さんに教わった演目を
今回の公演が決定したのは勘三郎さんが亡くなられて間もない頃のこと。そこで演目を決めるに当たり、海老蔵は「勘三郎のおにいさんに習ったものを」と、『夏祭浪花鑑』と『高坏』の上演が決まりました。
海老蔵がアリゾナまで出向いて勘三郎さんに教わった『夏祭』の団七九郎兵衛。平成20(2008)年の金丸座の後、歌舞伎座、御園座でも再演し、今回は4演目となります。そして、昨年5月に大阪松竹座の團菊祭で初めて勤めた『高坏』の次郎冠者も、勘三郎さんに教わったもの。「熱心に、"熱く"教えてくださった。言われたことを忠実に、見直しながらやっていきたい」と意欲的に話しました。
父、團十郎さんを失って
この公演は父の團十郎さんが休演のため、予定されていた『オセロー』に代わる歌舞伎公演。「歌舞伎座の舞台には間に合わせたいという強い意志でした」と、團十郎さんの闘病生活を明かし、『口上』では「父のことをお話して、お客様とともに思い出を分かち合えれば」とその思いを語りました。
「父は19歳で十一代目を亡くし、直接教わったのは『勧進帳』弁慶と『菅原伝授手習鑑』松王丸のみ。私は35歳ですし、『矢の根』以外の上演されている歌舞伎十八番は、父から教わっているのでありがたいことです」。七世團十郎がつくり上げた歌舞伎十八番を受継いでいくことへの思いを深め、「今の時代の人にも喜んでもらえるように取り組んでいきたい」と決意を示しました。
「初めての『連獅子』(平成元年1月歌舞伎座)で、幕の内側で出を待つ父の背中は忘れられない」。弱音を吐かず、正々堂々と物事に取り組む父の背中を見て育ったと言う海老蔵は、その在りし日の團十郎さんの人柄を偲びながらも、「目を瞑れば父の姿が浮かびますし、父から教わったこと、その言葉は忘れません。父との稽古もビデオには撮ってあります」と話し、今後へのさらなる精進を誓いました。
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