ニュース
【上演時間掲載】獅童が新派『寺田屋お登勢』出演
3月3日(木)から始まる、国立劇場大劇場「国立劇場新派公演」で上演の、八重子十種の内『寺田屋お登勢』に、中村獅童が出演します。
▼
この秋に開場50年となる国立劇場で、15年ぶり20回目となる新派公演が行われます。劇団新派の名優、花柳章太郎と初代水谷八重子の得意とした十種のうちから2作を上演、水谷八重子、波乃久里子、1月から劇団新派に入団した市川月乃助とともに、獅童が取材会見に臨みました。
叔父の錦之介に近づけるように演じたい
『寺田屋お登勢』は初代八重子に書き下ろされた作品で、寺田屋騒動後、坂本龍馬が寺田屋に現れ、やがてお龍とともに旅立っていくまでを描きます。「世の中へ出ようとしている若者を静かに応援しているなか、龍馬という青年に、恋心ともいえない、母性愛というか、なんともいえない愛を感じて世話をする。自分は動かないけれど、あなたたちが世の中を変えるんだ…。今の世の中とだぶる気持ちがしています」と、当代八重子が3度目のお登勢に挑みます。
龍馬は初世辰之助(三世松緑)、そして獅童の叔父萬屋錦之介も勤めており、「時代を切り開いていこうという、エネルギッシュで男らしい龍馬。役者から見ても演じがいのある人物、精いっぱい演じさせていただければ」と、獅童は意気込みを見せました。
「錦兄(きんにい)を思い出して泣いてしまうかもしれない」と、28年前の共演を振り返った水谷に、獅童は「錦之介の叔父は、死ぬまで“俺は復活してまた舞台に立つ”と言っていました。役者としては叔父の足元にも及びませんが、舞台にかける情熱、演じる喜びといったものを胸に秘め、一歩でも叔父に近づけたらと思います」と語り、新たな名コンビ誕生を期待させました。
十七世勘三郎と花柳章太郎の夕霧
『遊女夕霧』は大正期の吉原の情景を描きつつ、自分のために罪を犯した番頭の与之助を救おうと奔走する遊女、夕霧の情愛にあふれる一作です。波乃は8度目となる夕霧ですが、初めて勤めるにあたり、「父(十七世勘三郎)が、家の稽古場に道具を飾り、相手役を弟(十八世勘三郎)にさせて稽古してくれました。ですから、私の夕霧は勘三郎と花柳先生のミックスしたもので、その中に自分が入ってくるのではないでしょうか」と、語りました。
昭和29(1954)年4月明治座の初演が花柳で、女方での上演でしたが、「八重子先生は女方の真似をするなら、女方のほうがすごいから女優芸でなさいとおっしゃり、私に女方の真似を決してさせませんでした。でも、夕霧は一つの虚構の世界で、リアルだけでは面白くない。夕霧という役は女優の力だけでは難しいのかもしれませんね」。波乃は、十七世勘三郎からこの作品だけは花柳で(女方で)、と強く言われた理由に思いを巡らせました。
朗読劇での『遊女夕霧』出演がある月乃助は、元になった小説『人情馬鹿物語』を読み、「人情味豊かな、江戸の風情の残る、多彩なキャラクター。本当に面白い」と感動したそうで、今回、「女に一途に愛を通させる男、情が深く出る与之助にしたい」と、意欲を見せます。国立劇場の歌舞伎俳優研修生だった月乃助にとっては、「母校に新派の俳優となって出演とは、夢にも思わなかったこと」と、特別な思いもあるようでした。公演は3月3日(木)初日、チケットは2月6日(土)発売です。
国立劇場新派公演
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
川口松太郎 作 大場正昭 演出
花柳十種の内『遊女夕霧』(ゆうじょゆうぎり)
遊女夕霧:波乃久里子
番頭与之助:市川月乃助
榎本滋民 作 成瀬芳一・齋藤雅文 演出
八重子十種の内『寺田屋お登勢』(てらだやおとせ)
お登勢:水谷八重子
竜馬の姉・乙女:英 太郎
坂本龍馬:中村獅童
■日時
2016年3月3日(木)~27日(日)
12:00開演(15:45終演予定)
※10日(木)・11日(金)休演
【上演時間】
「遊女夕霧」 | 12:00~1:10 |
<幕間 | 35分> |
「寺田屋お登勢」
第一幕・第二幕 |
1:45~3:00 |
<幕間 | 10分> |
「寺田屋お登勢」
第三幕 |
3:10~4:00 |
※3月6日現在。時間は変更になる場合があります。
■場所
国立劇場大劇場
東京都千代田区隼町4-1
■チケット
1等A席:9,500円(学生6,700円) 1等B席:6,300円(学生4,400円)
2等A席:4,600円(学生3,200円) 2等B席:2,600円(学生1,800円) 3等席:1,500円(学生1,100円)
2016年2月6日(土)10:00~発売
国立劇場チケットセンター 0570-07-9900 03-3230-3000(10:00~18:00)
※スマートフォンはこちらから
※劇場窓口販売は2月7日(日)から(10:00~18:00)
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:449-442)
■お問い合わせ
国立劇場チケットセンター 0570-07-9900