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彌十郎、巳之助がシネマ歌舞伎『喜撰/棒しばり』初日舞台挨拶に登場

『喜撰/棒しばり』初日舞台挨拶

 

 2月13日(土)、東京 東劇で、シネマ歌舞伎第23弾『喜撰/棒しばり』の公開初日にあたり、初日舞台挨拶に坂東彌十郎、坂東巳之助が登場、上映される2演目についての思いを語りました。

 上映初日を待ちに待っていたお客様で満席の東劇、大きな拍手に迎えられて登場した彌十郎と巳之助は、「こんなにたくさんのお客様に来ていただけるなんて…」と喜びと感謝を表し、まずは『棒しばり』の話題へ。

 

坂東彌十郎

 「思い出深いというか、ずっと出たかった作品です」と語り出した彌十郎は、同じ世代の十八世中村勘三郎、十世坂東三津五郎に子どもの頃から憧れていたと言い、「いつか3人で勤められたらと思っていましたから、初日の感動は今でも覚えています」と、映像に収められた舞台(平成16年4月歌舞伎座)を振り返ります。そして、もう一つの“思い出深い初日”として挙げたのが、昨年の「八月納涼歌舞伎」(平成27年8月歌舞伎座)、「十世坂東三津五郎に捧ぐ」演目として上演された舞台です。

 

 「私が『太郎冠者あるか』と振り向いたら、いつもは(十世)三津五郎さんがいた場所に、巳之助さんがいる。もちろん、お稽古のときから太郎冠者は巳之助さんなんですが…あの初日は、心に来るものがありました」と思い返します。一方、当の巳之助は「それどころじゃなかったです」と笑い、歌舞伎座では初めて踊る大切な演目への思いが、いかばかりだったかをうかがわせます。

 

坂東巳之助

 続いて『喜撰』について。十世三津五郎がとても大切にしていた踊りで、棺に花錫杖(しゃくじょう)を入れて送り出したエピソードがここでも紹介されました。巳之助は、今回上映される「歌舞伎座新開場 柿葺落六月大歌舞伎」(平成25年)の舞台に所化として出演していますが、「歌舞伎座さよなら公演」(平成21年8月歌舞伎座)での『喜撰』にも、特別な思い出があるとか。

 

 「踊っている父の背中の向こうに、(第四期)歌舞伎座の提灯がワァッと並んでいるのが見えて、“これを見るのも最後なんだ、よく覚えておこう”と思ったんです」。ところが実際、新開場した歌舞伎座の舞台から見える景色は「ほとんど変わりませんでした…。父もどうも、拍子抜けしたようでした」と笑いながら明かしました。

 

 「父の勤めた演目でシネマ歌舞伎になったのは、今回の『棒しばり』と『喜撰』で10作目です。意外と多く出させていただいているんですね」と、巳之助は感慨深げ。彌十郎は「シネマ歌舞伎はほかの映像作品とはまた別、劇場で見る感覚が味わえますので、ぜひご覧になっていただきたいです」と結び、和やかな雰囲気のなか、初日舞台挨拶を終えました。

ネマ歌舞伎公開記念 十世坂東三津五郎 名演パネル展

 シネマ歌舞伎公開記念 十世坂東三津五郎 名演パネル展

 シネマ歌舞伎『喜撰/棒しばり』は、全国52館にて本日13日より公開。上映期間などは、各上映館にてご確認ください。なお、東劇ロビーでは上映期間を通し、「シネマ歌舞伎公開記念 十世坂東三津五郎 名演パネル展」が開催されています。

 

 

シネマ歌舞伎『喜撰/棒しばり』公式サイトはこちら

2016/02/13