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25日公開、シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』
6月25日(土)、シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』が全国公開されます。公開に向けての舞台挨拶ほかイベントを一挙にご紹介します。
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5月には先行上映会も開催されたシネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』。その1回目が行われた岩手県 奥州市文化会館では、主演の市川染五郎が登壇してトークイベントが行われました。奥州市の胆沢(いさわ)は阿弖流為が命がけで守ろうとした、自然あふれる阿弖流為の里です。
阿弖流為がヒーローに
染五郎が新しい歌舞伎をつくろうと、阿弖流為の取材のため最初に胆沢の地を訪れたのは、20年ほど昔にさかのぼります。「阿弖流為側から見た資料がとても少なかった。でも謎があればあるほど想像が膨らみ、魅力にもなります」。このときは、阿弖流為に英雄のイメージはなかったそうですが、「それが舞台のための取材でうかがった昨年、ガラッと変わっていました。地元の皆さんに阿弖流為がヒーローとして受け入れられていることに驚きました」。
つくりたかった新しい歌舞伎は、「歌舞伎NEXT」という形になって昨年、新橋演舞場で幕を開け、さらに、作品の源となった阿弖流為の里でシネマ歌舞伎として初披露となったことが、染五郎は本当にうれしいと喜びいっぱいに語りました。
シネマ歌舞伎でしか体験できない『阿弖流為』
「歌舞伎に絶対必要なのが美しさ。絵面でなくてはならないということです。どこを切り取っても、美しさがなければならない。その代表例が“見得”です。気持ちが頂点に達したことを表現するときって普通はしゃべるものです。それを逆に黙る、止まることで集中してみてもらうのが見得。しかもかっこよく見えることが大事です」。同様に、突進するのに「ダッシュするとあっという間に終わってしまうので、たっぷり見せる方法が六方」とのわかりやすい解説に、会場の皆さんもご納得。
歌舞伎NEXTの新しさは、「音楽はロックだし、衣裳は着物ではありませんし、刀は直刀。鬘(かつら)もメイクも、これまでの歌舞伎にないものです」。メイクデザイナーに教わり、自分の工夫を加えての化粧。「カラーコンタクトで視界が狭かった」といったこぼれ話も飛び出しました。舞台では最前席でも気付きにくい工夫の数々、シネマ歌舞伎ならしっかり見ることができそうです。
いのうえ演出は、「ほんのひと言の会話まですべて計算されていて、そこに音楽が入ったり、照明が当たったり、全部そろっての場面。それも、稽古の積み重ねでここしかないというタイミングでそろえます」。まるで映画撮影のリハーサルのような、ち密な計算のもとの稽古。聞けば聞くほど、シネマ歌舞伎として何度も楽しめそうな作品に思えてきます。
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イベント後の会見で染五郎は、「映像でもない、舞台でもないシネマ歌舞伎、そして、歌舞伎NEXTという新しいジャンルの歌舞伎を、皆さんに楽しんでいただきたい」と語りました。全国公開後も以下の舞台挨拶が予定されていますので、ぜひ、お近くの映画館へ足をお運びください。
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シネマ歌舞伎第24弾『歌舞伎NEXT 阿弖流為〈アテルイ〉』
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全国の上映館はこちら
※特別鑑賞券1,800円(税込)は、2016年6月24日(金)まで販売
■舞台挨拶スケジュール
【東京】初日舞台挨拶 6月25日(土)東劇(登壇者:市川染五郎、中島かずき)
【北海道】舞台挨拶 7月4日(月)札幌シネマフロンティア(登壇者:市川染五郎)
【宮城】舞台挨拶 7月8日(金)MOVIX仙台(登壇者:市川染五郎)
【愛知】舞台挨拶 7月19日(火)ミッドランドスクエア シネマ(登壇者:市川染五郎)
■解説付き上映会
【山形】解説付き上映 6月25日(土)13:30~ 鶴岡まちなかキネマ
【宮城】《月イチ歌舞伎》解説付き上映 7月7日(木)10:00~ MOVIX仙台
【宮城】《月イチ歌舞伎》解説付き上映 7月7日(木)11:30~ MOVIX利府
■公開記念キャンペーン
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