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「四国こんぴら歌舞伎大芝居」初日の賑わい

 2024年4月5日(金)、香川県の旧金毘羅大芝居(金丸座)で、「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」が初日を迎えました。

 満開に咲き誇る桜のなか、讃岐の春の風物詩「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が、5年ぶりに開幕しました。第一部は義太夫狂言の名作『沼津』で幕を開けます。呉服屋十兵衛(幸四郎)が旅の途中に沼津の街道で出会ったのは、雲助の平作(鴈治郎)と、娘のお米(壱太郎)。客席の通路や花道を使った演出でみせる、おかしみあふれる旅の様子に、客席から笑いが起こる前半から一変、後半には親子の悲しい運命が明らかになり、惜しみない拍手が送られました。続く舞踊『羽衣』では、伯竜(染五郎)に乞われ優雅な舞を披露する天女(雀右衛門)の幻想的な美しさに会場が包まれ、金丸座特有の江戸時代の宙乗りの機構「かけすじ」を活かし天女が天に昇っていく姿に、大いに盛り上がりを見せました。

 

 第二部の幕開きを飾るのは、『松竹梅湯島掛額』。「吉祥院お土砂の場」では、紅屋長兵衛(幸四郎)が八百屋お七(壱太郎)の恋を手助けしようと、面白おかしく活躍する姿がみどころ。「四ツ木戸火の見櫓の場」では、降りしきる雪のなか、人形振りの演技でお七が恋に一途な思いを表現します。趣向あふれる二場面に、場内には熱い拍手が鳴り響きました。『教草吉原雀』では、鴈治郎と雀右衛門演じる男女の鳥売りが、吉原の風情を艶やかに踊ります。幸四郎演じる鳥刺しが絡んでの大時代で派手な演出に、華やかな打ち出しとなりました。

 旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、21日(日)までの公演。チケットは、「琴平町役場 こんぴら歌舞伎事務局(0877-75-6714)」にお問い合わせください。

2024/04/09