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「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」で成功祈願・お練り
2024年4月4日(木)、香川県琴平町で、「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」の出演者が、成功祈願とお練りを行いました。
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「令和の大改修」やコロナ禍における上演の見合わせを経て、5年ぶりの開催となった「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」。公演初日を翌日に控え、旧金毘羅大芝居(金丸座)周辺の桜も満開に咲くなか、お練りに先立ち、今年も金刀比羅宮の御本宮拝殿で成功祈願が行われました。参列したのは松本幸四郎、中村雀右衛門、中村鴈治郎をはじめ、中村亀鶴、中村壱太郎、大谷廣太郎、市川染五郎、中村吉之丞、松本錦吾。厳かな空気のなか、公演の安全と成功を祈りました。
成功祈願が終わり、参道の石段下からお練りがスタート。人力車に乗った出演者たちは、舞い落ちる紙吹雪のなか、お集まりくださった大勢の地元の皆さんや歌舞伎ファンの皆さんからの声援に応え、笑顔で手を振りながら、お練りの終着地、金陵の郷へと進んでいきました。
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到着後は、出演者一人ひとりからご挨拶。まずは幸四郎が、「琴平町の皆様、ただいま帰りました!」と声をかけると、大きな拍手が沸き起こります。「お練りで皆さんに笑顔や力をいただいて、やはりこんぴら歌舞伎はいいなと強く実感しています。幸四郎になってから初めての金丸座出演でございます。新たな気持ちで、新たなスタートとなりますように、明日の初日から千穐楽まで精一杯勤めたいと思います」と、意気込みました。
7年ぶりの出演となる雀右衛門は、「まずは5年ぶりに金丸座で公演が出来ることを、心からお祝い申し上げます。今回は空を飛んだり、舞台を走ったりと、女方としてはなかなかないことをさせていただきまして、盛り上げていきたいと思っております。お練りの最中、皆様方から本当に熱いご声援をいただいて、そのご声援に負けないように、明日からの舞台を熱く勤めていきたいと思います」と、挨拶しました。
鴈治郎は本来であれば4年前、高麗屋三代襲名の興行でこの金丸座に来る予定だったことを語り、「(コロナ禍による公演中止で)とても残念でしたが、それがやっと叶い、こうして幸四郎さんと一緒に来ることができ、うれしく、ありがたく思っております。金丸座は、役者がもっと公演をやりたくなるような魅力のある劇場ですので、ぜひこの公演が毎年ずっと続けられますように、皆様の応援をお願いしたいと思います」と、熱く呼びかけました。
亀鶴は、「何よりもうれしいのは、お帰りなさいという言葉です」と感謝を口にしながら、「僕ら役者だけではなく、お客様に喜んでいただかないと」と、明日からの公演に向けて意気込みました。壱太郎も、第二部の『松竹梅湯島掛額』の八百屋のお七役で客席を歩くことを明かしながら、「お客様と一緒につくっていく歌舞伎。必ずやまた次につながる公演にしていきたいと思います」と、語りました。
廣太郎は、「5年分のパワーを込めて、皆様と一緒に千穐楽まで力強く頑張っていきたいと思っております」と、5年ぶりの開催となる今回の公演への決意を述べます。初出演の染五郎は、「皆様が歌舞伎を待ってくださっていたことが本当に心から伝わってきました。感謝の気持ちでいっぱいでございます」と、感慨深げに語りました。襲名後初めての出演となる吉之丞は、「こんぴら歌舞伎は、私の師匠の中村吉右衛門が立ち上げた公演でございまして、これをいつまでも続けていけるように」と願いを込め、錦吾は、「13年ぶりに帰ってまいりました。80歳を過ぎましたが、この後も何回も来られますように、ご後援のほどを、どうぞよろしくお願いいたします」と、締めくくりました。
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ご挨拶の後には公演の成功を祈り鏡開きが行われ、熱い拍手と声援が送られました。旧金毘羅大芝居(金丸座)「第三十七回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」は、21日(日)までの公演。チケットは、「琴平町役場 こんぴら歌舞伎事務局(0877-75-6714)」にお問い合わせください。