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獅童がTV「趣味どきっ!」で歌舞伎の案内役に
2017年2月7日から毎週火曜日、NHK Eテレ「趣味どきっ!」に中村獅童が出演、「中村獅童の いざ歌舞伎へ」(全8回)で歌舞伎の案内役を務めます。
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「中村獅童の いざ歌舞伎へ」は歌舞伎を観たことのない人、よく知らない人に向けてつくられた番組ですが、これまでの歌舞伎入門番組とはひと味もふた味も違ったユニークな内容になっています。歌舞伎への案内人として登場する獅童に聞きました。
――この番組は衣裳や化粧、立廻り、演技の実演や歌舞伎座探訪があったり、『あらしのよるに』の舞台に密着したり、獅童さんが出演された新作歌舞伎に関わった人たちのインタビューがあったりと、さまざまな切り口から歌舞伎に迫っています。獅童さんは台本を読むのではなく、普通にお話しされています。
専門的な説明をするなら、僕でなくてもいいんです。この番組では、アナウンサーの方から聞かれたことを、役者中村獅童の視点、感覚で、率直に、自分の言葉で話しています。自分の思っていることを素直に表現したいというところがあります。
歌舞伎って難しそう、どんな格好で見に行ったらいいかわからない…、僕らが思いもよらない疑問を持っている方が多いと、昔から実感を持っていました。歌舞伎の世界ではない人、身近な友人や他ジャンルで活躍されている方の意見をうかがい、歌舞伎ってそんなにイメージが固いのか、と。でも、そんなことはないよ、と若い人を振り向かせたい思いは昔からありました。こういう番組を通し、歌舞伎という演劇を身近に感じていただければうれしいですね。
――歌舞伎を身近に感じていただくには、なにが大切なのでしょう。
共感を持っていただくことだと思います。歌舞伎といってもただ古いものを上演しているのではありません。今に生きる演劇、今に生きる歌舞伎として共感していただく。10代の頃の僕はロックをやっていたし、今もファッションに興味があります。そんな自分も夢中になる魅力が歌舞伎にはあるということを、獅童ならではの目線で伝えられたら共感していただけるのではないでしょうか。
さまざまなお仕事をさせていただいたなかで出会った方たちに、「僕が思う歌舞伎はこうだよ」と、現代の音楽やファッションに結び付けて歌舞伎を説明すると、「そうなんだ!」とすごく共感を持ってくれます。そんなふうに友達に会って話すように、この番組を通し、リアリティーを持って自分の言葉で話せたらいいなと思っています。
――獅童さんを通して知る歌舞伎。歌舞伎の案内役を務めるのは、“歌舞伎への恩返し”の一つですか。
そうです。歌舞伎という演劇に育てていただき、30代でいろんなことをさせていただきました。40歳を過ぎ、歌舞伎に返せることは何かを考え、今自分にできること、しなければいけないことを、一つずつやっていけたらと考えるようになりました。
勘三郎のお兄さんから、「君は歌舞伎を見たことがない人を振り向かせることのできる男だから」と言われたとき、ああ、歌舞伎の外で仕事をするってそういうことか、と胸に響いたのを覚えています。映画『ピンポン』に出演した頃ですから、もう10年以上も前のことで、以来、その言葉を肝に銘じてきました。この年になると、その言葉の深さが一段と増し、感じ方も違ってきます。
大先輩が次々と旅立たれてしまい、残された我々がその灯を消さないようにしないといけない、責任感を持たなくてはいけません。その自分なりのやり方の一つが、この番組です。
番組ディレクターからもひと言
「趣味どきっ!」は現代人がやってみたいことをとり上げる番組です。歌舞伎観劇は難しいというイメージを払しょくしてもらう、その任務、役割を担うのに適任だと思ったのが獅童さんです。歌舞伎の手引きとして番組をつくっていますが、実は、中村獅童という歌舞伎俳優を通して何が見えるのか、を追っています。多方面で活躍する獅童さんですから切り口も多彩になり、見ているうちにだんだんと、歌舞伎って楽しいんだと感じていただけるのではと考えています。舞台とはまた違った獅童さんの魅力をお見せできると思いますので、どうぞお楽しみに。(「趣味どきっ!」ディレクター 七海友信 談)
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NHK Eテレ 趣味どきっ!
「中村獅童の いざ歌舞伎へ」
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■放送日時
2017年2月7日(火)~3月28日(火)
毎週火曜 21:30~21:54(全8回) NHK Eテレ
※2月9日から毎週木曜 10:15~10:39(総合テレビ再放送)
※2月14日から翌週火曜 11:30~11:54(Eテレ再放送)
*高校野球の順延によっては3月23日(木)総合テレビの再放送は休止の場合があります。
■NHKテキスト
NHK趣味どきっ!「中村獅童の いざ歌舞伎へ」
NHK出版刊(2017年1月25日発売予定)
AB変版112ページ(オールカラー)
定価1,080円(本体1,000円)