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獅童、超歌舞伎『積思花顔競』に向けて
4月28日(土)・29日(日・祝)、幕張メッセ国際展示場の「ニコニコ超会議2018」で上演される「超歌舞伎 supported by NTT」に出演の中村獅童が、3回目となる今年の公演に向けて意気込みを語りました。
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『積思花顔競』で獅童は善悪の2役を
獅童が登場したのは、3月13日(火)に行われた「ニコニコ超会議2018 発表会」。たくさんの企画の発表とともに、超歌舞伎第3作となる演目『積思花顔競(つもるおもいはなのかおみせ)』が紹介されました。
「関の扉」として知られる『積恋雪関扉』に着想を得た作品で、獅童は悪人の惟喬親王と善人の良岑安貞の2役、初音ミクは安貞の許嫁、小野初音姫と白鷺の精霊の2役を勤めます。惟喬の乳母である磐萩の局に中村蝶紫、家臣の秦大膳武虎に澤村國矢という、超歌舞伎にお馴染みの顔ぶれがそろいました。
背景は平安時代で、ミクは十二単姿を披露するうえ、竹本に合わせて芝居をするという、歌舞伎ならではの演技も稽古しているとのこと。惟喬がよみがえる場面では「骨寄せ」の演出、惟喬が都を一望する羅生門では『楼門』の趣向もあり、これまで以上にみどころたっぷりの作品になります。劇中曲には、鏡音(かがみね)リンのボカロ曲「天樂(てんがく)」が使用され、リンは、三種の神器、八咫の鏡(やたのかがみ)の精として、超歌舞伎初出演も果たします。もちろん、今年も会場の様子は、ドワンゴによるニコニコ生放送でお楽しみいただけます。
デジタル技術が今年も新たな演出を生み出す
NTTの最先端技術「Kirari!」がいっそう進化を遂げ、背景を選ばずに被写体がきれいに抽出されることで、分身の術がパワーアップ。大詰の獅童とミクの立廻りが驚きのシーンとなって現れます。また、三層の空中像を正面と背面から見ることで立体的な映像を浮かび上がらせる技術により、ミクが山車に乗ってステージ上を練り歩きます。
「デジタルの最先端技術が素晴らしい。会場にいらしてぜひ、“電話屋(NTT)”と大向うをかけていただきたい」と獅童。昨年、公演後に手術、療養で舞台を離れていたとき、超歌舞伎のお客様からのメッセージが「本当にうれしくて。勇気をいただいたおかげで病に打ち克つことができました。その恩返しを含め、すべての思いをこの超会議にぶつけたい」と、気持ちのこもった挨拶に、大きな拍手が送られました。“恩返し”は今回の物語の大きなテーマでもあります。
3年目の進化は「口上」にも
幕開きには、「口上」に舞踊の要素を加えた超所作事『祝春超歌舞伎賑(またくるはるちょうかぶきのにぎわい)』を上演し、獅童が幕張の舞台、3年目の超歌舞伎に戻ってくることを寿ぎます。これは、『お祭り』をもとにした華やかなひと幕。
「今年も皆さんに素敵なお芝居を見ていただいて、そして感動していただけるように、獅童さんと皆さんとお稽古を頑張っています。ネットでそして、ぜひ会場でお会いしましょう」とミクも挨拶。「ミクさんの衣裳は結構重い。これを着て演技するのは大変なんです。今回はミクさんとたくさん絡みますし、ドキドキするところもございます」。期待させる獅童の発言に、発表会場が一気に沸き、生配信を視聴していたニコニコユーザーから書き込みもあふれました。
さらに、超歌舞伎の会場には、大向うを体験できる「歌舞伎シャウト」の展示も登場の予定。スクリーンの演技に合わせてかけ声をかけると、その声に反応して演技も変わります。今年初の体験ブースで、歌舞伎観劇の楽しみを存分に味わってください。
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発表会後、取材に応じた獅童は、「歌舞伎と無縁だった方たちがあれだけ夢中になって観てくださっている姿を見て、デジタルに囲まれて育った方たちも、心はアナログなんだと思いました。皆さんが食いついてきてくださったのがうれしかった」と、これまでの超歌舞伎を振り返りました。
デジタルの進歩に、魂込めて全身全霊でぶつかる
バーチャルシンガー、初音ミクとの舞台は、「ミクさんの“間(ま)”はいつも同じなので、僕がせりふや踊りの間を合わせます。(藤間)ご宗家のつけた振りを間がずれないようにきっちり踊り、字幕がありますから、せりふも変えられません」。隣にいても視界に入らない共演者との芝居に苦労しましたが、「だんだん皆、慣れてきました」。会場全体を走り回る演出は、「自分がリクエストしたのですが、1回目は最後は楽屋に帰れないほどでした。でも、お客様が声援してくださるとやってしまう。今年は、これまでとは違うフィナーレを迎えると思います。楽しみにしていただきたいですね」。
初めは聞きとりにくかった声が、技術の進歩により「昨年は改善され、姿も見やすく、違和感がなくなりました。我々も、デジタルの進歩とあの音響、あの迫力に負けていられないぞと。分身の術などNTT様も、ものすごい力の入れようなので本当に、魂込めて全身全霊でぶつからないと負けてしまいますから。いい相乗効果が生まれていると思います」。歌舞伎は常にその時代の最新技術をとり入れてきました。
「(超歌舞伎に関わって)あらためて先人たちの歌舞伎の演出、見せ方、歌舞伎の底力を感じました。今を生きる肉体を通し、歌舞伎400年の伝統、歴史が、今に生きる歌舞伎として若い方たちに伝わっていけばいいなと。歌舞伎のストーリーに泣いたり笑ったり、歌舞伎が持つアナログの部分は、どれだけ年月を経ても日本人の心に届くと思います」
超歌舞伎の会場の「半端ない盛り上がり、エネルギー」に、「自分がやっていることは間違っていなかった」と、確信を得た獅童は、「これからもチャレンジする気持ちを忘れずに突き進んでいきたい」と力強く語りました。
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ニコニコ超会議2018 「超歌舞伎 supported by NTT」
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『積思花顔競』(つもるおもいはなのかおみせ)
惟喬親王/良岑五位之助安貞:中村獅童
小野初音姫/白鷺の精霊:初音ミク
磐萩の局:中村蝶紫
秦大膳武虎:澤村國矢
八咫の鏡の精:鏡音リン
超所作事『祝春超歌舞伎賑』(またくるはるちょうかぶきのにぎわい)
鳶頭幹吉:中村獅童
初音家おミク:初音ミク
若い者國吉:澤村國矢
■日時
2018年4月28日(土)・29日(日・祝)
一部 13:00/二部 16:00
※「ニコニコ超会議2018」の開催は、10:00~18:00(29日は~17:00)、最終入場は各日30分前。
■場所
幕張メッセ国際展示場 イベントホール
■チケット
観劇は無料
※「ニコニコ超会議2018」入場券は必要です。入場券の詳細は「ニコニコ超会議2018」公式サイトをご覧ください。
超歌舞伎指定席付き入場券:4,000円(各部、税込)
※会場への優先入場ができ、指定席は1階アリーナ前方席。アリーナ後方自由席と2階・3階自由席は、一般入場券のみで観覧可能。指定席券のみの販売はありません。
超歌舞伎指定席付き入場券はこちらから(イープラス)
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