ニュース
白鸚、幸四郎が語る「松竹大歌舞伎」中央コース
3月31日(日)から全国19カ所で行われる、「松竹大歌舞伎」中央コースに出演する松本白鸚、松本幸四郎が、公演について語りました。
▼
松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎の襲名披露として行われる、今年の「松竹大歌舞伎」中央コース。昨年、東京を皮切りに名古屋、博多、大阪、京都での襲名披露を行った白鸚と幸四郎が、この春、全国津々浦々の劇場を回ります。
どの会場でも一期一会の気持ちで
今回の全国公演は『襲名披露口上』から始まります。「やはり、最初に俳優が出て、皆様にご挨拶をするのがよいのでは」と考えたという白鸚。各会場とも、1日ずつの公演となる巡業において、「一日一日を大事に、一期一会という思いをもって勤めたい、という気持ちで口上を最初に」もってきたといいます。
幸四郎も、「ご当地の皆様が観劇なさるのは、その日の公演だけでございます。その一日で、歌舞伎に少しでも興味をもってもらい、現実とは違う時間を楽しめる、唯一の時間となるように勤めたい」と意気込みを見せました。そうした思いから、今回も、幕間のイヤホンガイドでは、会場ごとに異なる内容を流すなど、全国公演ならではの企画を温めています。お客様に楽しんでいただくための手間を惜しみません。
高麗屋のおもてなしを
『襲名披露口上』に続く、『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』「加茂堤」「車引」では、親子で松王丸、梅王丸を、そして梅玉が桜丸を勤めます。白鸚は、「この演目で息子と共演するのは、お互い名前が変わってから初めて。お見せすることができて、光栄です」と、思い入れたっぷりの様子。幸四郎も、「やはり荒事は、高麗屋代々が得意の芸とするもの。高麗屋なりの歌舞伎のおもてなしをさせていただきたい」と真剣な面持ちで述べました。
切は、幸四郎が勤める『奴道成寺』。舞踊の大曲『京鹿子娘道成寺』の立役版といわれる、華やかな一曲です。幸四郎は、家に曾祖父(七世幸四郎)が使っていた『奴道成寺』の壺折の衣裳があると前置きし、「襲名披露をさせていただくものとして、ぜひやりたいと願っていた、高麗屋にとっても大事なお役。私の第一歩を多くの方に見ていただきたい」と決意をみなぎらせました。
自由な見方で楽しんでいただきたい
今回の中央コースの会場のなかには、初めて「松竹大歌舞伎」を上演する劇場もあります。初めて歌舞伎を観る方へ、「どんなふうにご覧いただいても結構です。歌舞伎を楽しんでくだされば。ぜひ楽しんで、面白かったなとお帰りいただけるよう努力します」とメッセージを送った白鸚。さらに幸四郎が、「自分が興味のあるものを探しに来るような感覚で、ご覧いただくと面白く感じてもらえるのでは」と続けました。
この公演が千穐楽を迎えた数日後に、時代は平成から新しい元号へと変わります。二人はそれぞれ、「元号が変わることへ、一抹の寂しさはありますが、その反面、魂はメラメラと燃えています」(白鸚)、「平成の最後の最後まで舞台に立つことができることは、本当にありがたいこと。大事に過ごしていきたい」(幸四郎)と語りました。いよいよ平成最後の全国公演に臨みます。
▼
「松竹大歌舞伎」中央コースは3月31日(日)から4月25日(木)まで、全国19会場で開催。チケットの詳細は公演情報のお問い合わせ先でご確認ください。