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歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

 

 

 5月3日(金・祝)、歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」が初日の幕を開けました。

 毎年5月に行われる團菊祭は、九世市川團十郎、五世尾上菊五郎の功績を顕彰するものです。新しい元号となって最初の歌舞伎公演となる今年の團菊祭は、夜の部で七代目尾上丑之助の初舞台というめでたさも重なり、歌舞伎座は初日から多くのお客様で賑わいました。

 

 昼の部は、歌舞伎ならではの様式美にあふれる祝祭劇、『寿曽我対面』で始まりました。仇討ちのためやってきた曽我兄弟を受け止め、懐の大きさをみせる工藤祐経を勤めるのは、今回が初役となる松緑。曽我十郎、五郎には梅枝、萬太郎の兄弟。伝統ある演目を新鮮な顔ぶれで演じる、新しい時代の訪れを感じさせるひと幕となりました。

 

 来年に襲名披露を控える海老蔵は、現在の名前で出演する最後の團菊祭で、家の芸である『勧進帳』の弁慶を勤めます。情理を尽くす富樫に松緑、気品あふれる義経の菊之助と、この三人が同じ配役でそろうのは、平成11(1999)年浅草公会堂での公演以来、実に20年ぶり。緩急豊かな見ごたえある舞台を締めくくる、弁慶の飛び六方の引込みに、客席も大いに沸きました。 

 

 『神明恵和合取組(かみのめぐみわごうのとりくみ)』は、まさに團菊祭らしい演目。初演時に五世菊五郎が演じため組辰五郎を、当代の菊五郎が演じます。鳶と力士の達引を題材とした物語のなかで、登場人物の心情とともに江戸の風俗も細やかに描き出されます。大勢の火消と力士が入り交じり、梯子や廻り舞台を使う大立廻りにさしかかると、場内は大盛り上がり。客席が興奮に包まれるうちに昼の部が幕をおろしました。

 夜の部の一幕目は、慶事を寿ぐ華やかな舞踊『鶴寿千歳』。昭和3(1928)年に、昭和天皇即位の大典を祝って初演されたこの作品は、その後第五期歌舞伎座杮葺落など、節目の折に再演を重ねており、今月は「令和慶祝」と付して上演されます。雌鶴の時蔵、雄鶴の松緑が、弥栄を願う優雅な舞をめでたく舞い納めると、歌舞伎座に慶賀の雰囲気が満ちあふれました。

 

 菊之助が初舞台の際にも演じた牛若丸を、このたび同じく初舞台を踏む丑之助が演じる『絵本牛若丸』。豪華な顔ぶれがそろい、新丑之助の門出を祝います。菊五郎の鬼次郎、吉右衛門の鬼一法眼とともにせり上がってきた丑之助を満場の拍手で迎えた客席。劇中口上で挨拶する丑之助にさっそく「音羽屋!」「七代目!」と掛け声がかかりました。「やあ、ちょこざいな。牛若丸の手並みを見よ!」と凛々しく言い放ち、元気な立廻りを披露して観る者を魅了した丑之助。奥州へと旅立つべく、菊之助の弁慶に肩車されながら花道を通って引っ込んだ後も、お客様からの祝福がこもった拍手が鳴りやみませんでした。

 

 続いては女方舞踊の大曲、『京鹿子娘道成寺』。娘心を表現するさまざまな舞で構成された、みどころ尽くしの作品です。可憐な風情を漂わせた、菊之助の白拍子花子が、引抜きで衣裳を変えるたび、客席からため息がもれます。さらに執念の化身である蛇体に姿を変えての幕切れまで、美しさと迫力を兼ね備えた菊之助の姿が、終始客席を圧倒しつづけました。

 

 切は黙阿弥の名作『曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)』。松也が初めて御所五郎蔵に挑みます。侠客の御所五郎蔵が、彦三郎演じるライバルの星影土右衛門と対峙する場面では、流れるような七五調のせりふが客席を引き付けます。二人を仲裁する留男、坂東亀蔵演じる甲屋与五郎も初役です。胡弓の合い方が入る愛想尽かし、だんまりでみせる立廻りと、歌舞伎ならではのみどころを堪能したお客様から、拍手が寄せられるなかで幕となりました。

歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

 丑之助にそっくりな牛若丸の姿が目をひく祝幕

 2階ロビーには、丑之助初舞台の祝幕に用いられた、宮崎駿監督による意匠の原画も飾られ、幕間のたびに大勢のお客様がご覧になっていました。1階正面ロビーには九世團十郎、五世菊五郎の胸像も置かれ、團菊祭ならではのしつらえでお客様をお迎えする歌舞伎座へ、ぜひご来場ください。

 

 
歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」初日開幕

 地下の木挽町広場は、五月らしい爽やかな装いで、お客様をお迎えします

 歌舞伎座「團菊祭五月大歌舞伎」は5月27日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。舞台写真は、舞台写真館(スマートフォンはこちら)でお楽しみください。

2019/05/07