ニュース
進化した超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』上演
4月27日(土)・28日(日)、「ニコニコ超会議2019」で「超歌舞伎 supported by NTT 『今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』」が上演されました。
▼
今年で4回目となる「超歌舞伎 supported by NTT」。「超歌舞伎」のファンも定着し、幕張メッセの大きなイベントホールは、今年も多くのお客様でいっぱいとなりました。会場だけでなく、ニコニコ生放送による動画視聴でも楽しめるのが「超歌舞伎」の魅力。舞台左右のモニターにはニコニコユーザーのコメントが映し出されます。歌舞伎独特の言葉や演出に関しては、歌舞伎に詳しいニコニコユーザーによるコメントで解説が寄せられ、まさに観客と舞台が一体となってひとつの公演がつくられます。
4回目の「超歌舞伎」
定式幕が開き、口上に登場した獅童。「萬屋!」というかけ声が会場に響き、ニコニコユーザーからも「萬屋!」のコメントが波のように寄せられます。ミクも舞台に並ぶと、今度は「初音屋!」という大向うが。初年度の平成28(2016)年に上演された『今昔饗宴千本桜』の脚本、演出を一新して再演する今回。上演に対する意気込みを二人が語り、続いて獅童が「盛り上がってますか?準備はいいですか?」と会場の意気込みを確かめます。「ニコニコユーザーの皆様、盛り上がってますか?」とネットで見ている人々にも声をかけると、コメント数は何倍にもふくらみ、公演を活気づけました。
獅童が「超歌舞伎」が始まってからの4年間を振り返って感極まる場面も。デジタルチームと歌舞伎チームでひとつのものをつくりあげるために葛藤した日々を思い返し、さらに「超歌舞伎は皆様の手によって育てられました。本当にありがとうございます」と、ファンに向かって感謝を述べました。こうして、平成最後の「超歌舞伎」の幕が開きました。
さらに進歩した技術
「超歌舞伎」では迫力ある映像も、特色のひとつ。発端の映像は、大正100年の帝都桜京で、千本桜を守護しながら活躍する初音未來の姿を描き、観客を引き込みます。
発端が終わると、舞台は神代の昔に移ります。物語の鍵となる千本桜の前に、蝶紫演じる初音の前が現れると、悪役の青龍が映像で登場します。初音の前は青龍の圧倒的な力に敗れ、千本桜も奪われてしまいます。
1000年後、ミク演じる美玖姫が枯れ果てた千本桜の前で寂しく舞っていると、獅童演じる佐藤四郎兵衛忠信が現れます。獅童とミクのやりとりは、前回にも増して、息ぴったりです。ミクの踊りもより滑らかになり、日頃の鍛錬の成果を見せました。
獅童演じる忠信が青龍の眷属と戦う場面では、NTTの超高臨場感通信技術「Kirari!」の「被写体抽出技術」を用いたおなじみの「分身の術」が登場。複数に分身した忠信が多数の眷属を一気に倒したり、前の場面で活躍した過去の忠信が助けに来たりと、「超歌舞伎」ならではの演出を見せました 。
今年は新たに「空間創出技術」を用いた「変身の術」も行われました。忠信が大正100年の靑音海斗に変身し、時空を超えて忠信とともに戦う場面では、客席もニコニコユーザーも大いに盛り上がりました。
千本桜に再び花を
國矢が演じる青龍の精が、客席の通路から姿を現すと「紀伊国屋!」と大盛り上がり。忠信と青龍は、壮絶な戦いを繰り広げますが、渾身の一撃を受け、忠信は追い込まれます。今にも力尽きそうな危機に際し、「数多(あまた)の人の言の葉を」とニコニコユーザーに、「桜の色の灯火を」と会場に、それぞれ力をくれるよう呼びかけます。
忠信と美玖姫、
◇
南座公演にかける思い
初日1回目の舞台を終えた獅童は、平成を振り返り、「超歌舞伎」をはじめ「新しい歌舞伎をさまざまつくってきましたが、またスタートラインに立ったつもりで、初心を忘れずに、令和という時代を駆け抜けていきたい」と語りました。そして、南座公演に向けて「この舞台はとにかく体力勝負。1カ月ほぼ1日2回公演なので、全身全霊でやるしかない」と意気込みました。
また、千穐楽の幕が閉じたあとには、「一生の思い出になりました」と語った獅童。ニコニコ超会議で上演を重ねた「超歌舞伎」、「本当に皆様のおかげで、8月にひと月、南座でやらせていただくことになりました。今まで見たことのない南座の劇場の風景にしたいと思っております」と、南座への来場を強く呼びかけました。
南座新開場記念 『八月南座超歌舞伎』は、8月2日(金)から26日(月)までの公演です。「ニコニコ超会議」とはひと味違った「超歌舞伎」を楽しめることでしょう。ぜひ、この夏は京都、南座まで足をお運びください。
※プレミアム会員に登録していただくと、公演の様子を5月27日(月)23:59までご覧いただけます。
「超歌舞伎 supported by NTT」オフィシャルサイト