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壱太郎、「夏休み!歌舞伎自由研究」に向けて

壱太郎、「夏休み!歌舞伎自由研究」に向けて
 

  8月13日(火)・14日(水)に歌舞伎座ギャラリー木挽町ホールで行われる「夏休み!歌舞伎自由研究」に出演する中村壱太郎が、公演への意気込みを語りました。

 上演される袴歌舞伎<第二章>『四勇士 友と共にあめアメふれフレ』は、壱太郎が当公演のために書き下ろし、脚本、演出、振付、作調を手がけた新作袴歌舞伎です。壱太郎はこれまでも「春虹(しゅんこう)」の名で、「趣向の華(しゅこうのはな)」公演にて、袴歌舞伎 『若華競浪華菱織(わかぎくらべなにわのひしおり)』他の作、演出を手がけたことがありますが、本作は、当時の「袴歌舞伎(はかまかぶき)」を受継ぎ、その<第二章>として、壱太郎が新たに挑むプロジェクトとなります。 壱太郎のほか、松竹が運営する歌舞伎教室「こども歌舞伎スクール寺子屋」より、オーディションを勝ち抜いた小学5年生から中学3年生の、15名の生徒も出演します。

 

壱太郎、「夏休み!歌舞伎自由研究」に向けて

 自分以外の出演者が皆子どもというなかで、脚本を書くということが初めてだという壱太郎は、「どのくらいせりふを覚えられるのか、どのくらい立廻りができるのかイメージできなくて悩んだ」と言います。「気を付けたのは言葉づかい。難しい言葉はできるだけ使わない、長唄の歌詞とかもわかりやすく書くようにしました。仲間と一緒に雨蛙を退治、という本当に簡潔な構成にしているので、お話はとても分かりやすいと思います。ただし大人の方にも十分楽しんでいただける作品となるように作りました」と、紹介しました。

 

 また、取材会では、稽古の様子も公開されました。「限られた時間、集中して、時間を大切に」使うようにという壱太郎の話からスタートし、熱心に指導する壱太郎と、壱太郎の指導や指摘に聞き入り、稽古を重ねる生徒の姿がありました。生徒が夏休みに入ってからの約2週間、本番に向けて、生徒への指導をしてきた壱太郎は「難しいのは立廻りですね。踊りやセリフは、スクールで学んできた生徒も、立廻りの経験はほとんどないので」と本音をのぞかせながらも、「言われたことを次の日に直してくるというのができる。当たり前のことですが、それがちゃんとできるのは、優秀だと思います」と、続けます。「自分が間違っていないか問いかけて、教えることの責任を感じながら指導しています。稽古の中で“友と共に”、みんながチームになってやるので、一丸となってやっています」と、公演に向けて気合を込めました。

  

壱太郎、「夏休み!歌舞伎自由研究」に向けて

 生徒に細かい動きまで指導する壱太郎

 「四勇士」の後にはお楽しみトークショーとして、壱太郎と“共に”切磋琢磨する若手歌舞伎俳優の中村鷹之資、片岡千之助、中村玉太郎、壱太郎の鼓の師である藤舎千穂、本作の補綴を手がける戸部和久が日替わりでゲスト出演します。藤舎千穂の回(14日、15時開演)では、実際に鳴物に触れることができるワークショップが実施されます。「(藤舎千穂は)ずっと習っているお師匠さん。せっかく(役が大雨蛙 がま婆さま)なので、蛙の鳴き声とか、雨の音とかを雨うちわでやるのを公演後に披露したい」とのこと。こちらもあわせてお楽しみ下さい。

  

 壱太郎の、創作者としての「袴歌舞伎」第二章への意欲的な挑戦と、「こども歌舞伎スクール寺子屋」生徒たちの学びと成長、そしてお客様には、歌舞伎の楽しさとともに仲間の大切さを学んでいただく、令和元年夏休みの歌舞伎自由研究です。 お子様や歌舞伎に馴染みのない方から歌舞伎好きな方まで、皆様に楽しんで頂ける舞台です。是非お誘いあわせのうえ、お越しください。

「夏休み!歌舞伎自由研究」は8月13日(火)・14日(水)の開催。詳細はこちらから

 

2019/08/09