ニュース

海老蔵が語る「ABKAI 2019」

海老蔵が語る「ABKAI 2019」

 

 11月5日(火)から、東京Bunkamuraシアターコクーンで開催される「市川海老蔵 第五回自主公演 ABKAI 2019~第1章 FINAL~『SANEMORI』」の製作発表会見が行われ、市川海老蔵が公演への思いを語りました。

 来年5月に十三代目市川團十郎白猿の襲名を控え、海老蔵としてはこれが最後となる「ABKAI」。『SANEMORI』は古典の『源平布引滝』を継承した、新しい歌舞伎の舞台として上演されます。今回團栗という俳名で、初めて本格的に演出も行う海老蔵は「市川海老蔵の最後の仕事として、第一章FINALで演出をすることは、ABKAIとしても大きな意味を持ってくるのではないかと思っています。演出という部分で、役者以外のプレッシャーもありますので、いろいろ勉強したい」と、意欲を見せました。

 

海老蔵が語る「ABKAI 2019」

 市川右團次をはじめとする歌舞伎俳優のほか、今回は「滝沢歌舞伎」で活躍したSnow Manの宮舘涼太と阿部亮平も出演。初共演となる宮舘、阿部について「(共演は)ご縁ですよね。歌舞伎の所作法や伝統的な動き、非常に難しいこともありますが、立廻りや動きのなかで学ぶべきことがたくさんあると思いますので。活躍していただけたらうれしいです」と期待を込めます。

 

 この演目の最大のみどころについて「源平の戦いで白旗のために人々が命をかける姿や、人のドラマが何重にも重なっていくところ」と述べた海老蔵。自身は実盛を「百回以上演じている」という経験がありつつも、「現代人には源平の戦いのなかでの、白旗というものに対する重みというのがなかなかわかりづらい。それを守るために命をかけている人々にクローズアップされていない部分が多いのではないか」と、感じていたと言います。物語のおもしろさが「ちゃんとわかるような演目を見てみたい」と、以前から温めていた構想が、今回の上演に繋がったことを明かしました。

 

 初めて歌舞伎を観る方へは、「船のシーンは比較的派手なので、そういうシーンでは目で楽しんでもらいたいと思っています」。ただ難解なせりふがある場面はあえて残したいといい、「このお芝居では手のことを“かいな”と言うんです。ちょっと難しいかもしれませんが、観ていれば、手は“かいな”と呼ぶんだな、ということが分かっていただけるような作品にしたい。それは私の志向というよりも父の志向だったのですが、そういうものを受け継いでいきたい」と語りました。

 

 公演の詳細は、こちらをご覧ください。チケット発売は9月8日(日)です。

 

「市川海老蔵 第五回自主公演 ABKAI 2019~第1章 FINAL~『SANEMORI』」公式ページ

2019/09/06