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勘九郎、七之助、勘太郎、長三郎が語る「二月大歌舞伎」

勘九郎、七之助、勘太郎、長三郎が語る「二月大歌舞伎」

 

 2月2日(火)から始まる歌舞伎座「二月大歌舞伎」に出演する中村勘九郎、中村七之助、中村勘太郎、中村長三郎が、公演への思いを語りました。

 今回の「二月大歌舞伎」では、十七世中村勘三郎三十三回忌追善狂言として、『奥州安達原』「袖萩祭文」、『連獅子』が上演されます。「大変な時期ですが、追善ができるという喜び、感謝の気持ちでやらせていただきます」と切り出した勘九郎。七之助が「この四人で祖父の追善をやらせていただけること、祖父(十七世勘三郎)も父(十八世勘三郎)も喜んでいると思います」と続けます。勘太郎と長三郎も、それぞれ自分が勤める役を元気に言うと、「どうぞよろしくお願いいたします」と挨拶しました。

 

勘九郎、七之助、勘太郎、長三郎が語る「二月大歌舞伎」

 和やかな雰囲気のなか、オンラインで行われた取材会

魔法の粉をかける人

  十七世勘三郎との思い出について、勘九郎は、初御目見得の『盛綱陣屋』での共演を振り返ります。「とても面白くて、皆様から愛されている人でした。それがお芝居にも表れていて、父がよく、祖父はお客様に魔法の粉をかけるんだよ、と言っていましたね。昔の映像を見ると、なんだかその魔法の粉が見えるようで…。役者としても素敵で誇らしい祖父です」と、懐かしみました。

 

 「僕はまだ幼くて直接の記憶はないのですが、お喋りな子だったので、僕が祖父の楽屋に行くと、うるさいからすぐ帰せって言われていたそうです」と、笑顔を見せるのは七之助。「歌舞伎座で祖父の追善口上をしたとき(平成22年2月歌舞伎座)に、先輩方から、皆がお腹をかかえて笑うようなエピソードがいろいろと出てきて。祖父を身近に感じて、うれしかったですね。人間性も、芸の上でも、素晴らしい。両方引き継げるように、私も努力したいです」。

 

 芸域が広かった十七世勘三郎。追善狂言として、多くの作品のなかから選ばれた『奥州安達原』について、勘九郎は「父もやりたがっていた演目ですし、ちょうどぴったりの配役で追善ができる」と述べます。また、「祖父と父が築き上げた『連獅子』というものがあります。思い入れある中村屋の『連獅子』を、こうして繋げることができうれしい」と話しながら、仔獅子を勤める勘太郎と目を合わせてうなずき合いました。

 

 『連獅子』中村勘九郎、中村勘太郎(撮影:篠山紀信)

中村屋の『連獅子』

 中村屋の『連獅子』とは、「上手い下手ではなく心、魂で踊るということ。きちんとした型があり、そこに心を入れるということです」と勘九郎。しばし、十八世勘三郎との厳しい稽古の思い出を感慨深げに語った二人。七之助が「今考えると、私たちは、お客様のためはもちろんですが、父のために踊っていました。それが舞台に表れていたのではないかと。勘太郎にも、親獅子そしてお客様のために、全身全霊をかけて挑んでほしい」と口にしました。

 

 今回、仔獅子を勤める勘太郎は現在9歳。本興行で連獅子を1カ月勤めるのは、記録にある限り最年少での挑戦です。勘太郎は、篠山紀信撮影によるスチール写真を見つめながら、「お父さんたちが軽そうに踊っていたから、衣裳もあまり重くはないんだなと思っていましたが、いざ着てみたら、ものすごく重くて…。体力づくりのため、ランニングや腹筋をしています」と真剣な面持ち。準備に余念がない様子がうかがえます。

 

 「父に一からすべて教えてもらったことを、手取り足取り伝えています。踊りの勘は徐々によくなってきました。前シテが大事ということを肝に銘じてほしい。祖父と父の『連獅子』を観てくださった方にも安心してご覧いただけるように勤めたいです」と勘九郎。七之助は「つらいでしょうが、頑張って踊れば、お客様が声援として返してくれる。僕が舞台に立つ喜びを初めて知ったのが『連獅子』でした。精一杯、パワーを送りたいです」と応援しました。

 

 『奥州安達原』中村七之助、中村長三郎(撮影:篠山紀信)

家族の愛情を見せる

 袖萩は初役となる七之助。お君を勤める長三郎との親子役も初めてです。芝居について、「台本は祖父が演じていた当時のものを題材に。また、ありがたいことに福助のおじからも、ぜひ教えたいと言ってもらって」、長三郎とともに、福助から役の心持ちなどを教わったと明かしました。「袖萩とお君を中心に、家族が深い愛でつながっていると、お客様に感じていただけるように演じたいですね」。

 

 一方、義太夫の糸に乗って「木戸に顔を振るところが難しいです」と、話すのは長三郎です。勘九郎は、「課題は集中力。長三郎は声がとてもいいので、彼の武器になるのではないでしょうか」と、期待を込めた眼差しを向けます。七之助は、「お君は出ずっぱりです。まだ7歳で、役にもなりきり、客席からは見えない舞台上でのお仕事もたくさんあるうえに、1カ月の長丁場ですから、試練だと思います…が、二人で一所懸命頑張りましょうね」と、長三郎に温かく語りかけました。

 

 久々の歌舞伎座出演について、勘太郎は「久しぶりなので、楽しみです」と凛々しい表情を見せ、長三郎は「緊張と楽しみがくっついてます」と、はきはきと答えます。四人がお互いに、しっかりと目を見交わしながら話を紡ぐ様子に、中村屋一丸となって舞台に臨もうという気概がにじみました。

 歌舞伎座「二月大歌舞伎」は2月2日(火)から27日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2021/01/26