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菊之助、愛之助が語る歌舞伎座「三月大歌舞伎」、「四月大歌舞伎」

菊之助、愛之助が語る歌舞伎座「三月大歌舞伎」、「四月大歌舞伎」

 

 2024年3月3日(日)より上演中の「三月大歌舞伎」、4月2日(火)から始まる「四月大歌舞伎」に出演の尾上菊之助、片岡愛之助が、公演への思いを語りました。

昨年6月の博多座での共演をきっかけに

 「三月大歌舞伎」の出演の合間を縫って取材会に登場した、菊之助と愛之助。今月の『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」で熱のこもった舞台をみせている二人は、来月歌舞伎座で上演される『夏祭浪花鑑』で共演します。昨年6月の博多座以来の共演に菊之助は、「今月、来月とご一緒できて、とても充実しており、うれしく、日々楽しみに勤めております。(愛之助とは)役として対峙し、気持ちと気持ちでぶつかり合ったときに心地いいです」と、笑顔で続けます。

 

 愛之助も、博多座6月公演を振り返り、「『夏祭浪花鑑』はいわゆる上方の芝居で言葉がとても難しいのですが、(菊之助が一寸徳兵衛を演じた際に)見事にその言葉を使われていたので、本当にすごいなと思いました。このように2カ月続いて組ませていただいて、こんなに身に余る光栄はないです」と、微笑みます。

 

菊之助、愛之助が語る歌舞伎座「三月大歌舞伎」、「四月大歌舞伎」

 

『寺子屋』は、先人たちが築いてきた宝物のような作品

 『寺子屋』では、菊之助は初役で松王丸を、愛之助は源蔵を勤めています。本作に魅了され育ってきたと言う菊之助は、「先人たちが築いてきた宝物ですので、憧れの気持ちをもち、名作に日々挑ませていただいています。『寺子屋』は登場人物が少ないなかで緊迫した状況をつくり出さなければなりません。最後の場面では“にっこりと笑って”という愛之助さんのせりふをいただいて、“笑いましたか”と泣き笑いに繋げていきます。愛之助さん演じる源蔵に息をいただいて、勤めさせていただいてます」と、真摯に話します。

 

 愛之助は、「源蔵はとても重く、(演じていて)精神的につらいお役です。けれども、菊之助さんがおっしゃった息の掛け合い、芝居のキャッチボールが気持ちよく、とても楽しいです。毎日始まる前にわくわくするんです。物語は重いですが、“今日もできる、よし!”という裏腹な気持ちで顔(化粧)をしながら始まり、毎日幸せです」と、うれしそうに話します。

 

菊之助、愛之助が語る歌舞伎座「三月大歌舞伎」、「四月大歌舞伎」

 

歌舞伎座で『夏祭浪花鑑』を

 「四月大歌舞伎」の『夏祭浪花鑑』では、愛之助が団七九郎兵衛と徳兵衛女房お辰を、菊之助が一寸徳兵衛を勤めます。愛之助は先日、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞し、その受賞理由の一つとして、昨年6月博多座の『夏祭浪花鑑』の団七九郎兵衛の演技も挙げられていました。

 

 愛之助は、「(団七は)十三世(片岡)仁左衛門が大切にしていたお役で、私は、それを受け継いだ我當の伯父と、現十五代目の仁左衛門の叔父に教えていただいたので、とても大切にしているお役です。今回歌舞伎座で初めて勤めさせていただけることがとてもありがたいです。菊之助さんとまたご一緒させていただき、三婦は(中村)歌六兄さんが演じてくださいます。今回歌六兄さんとは初めてなので、どんな風になるのか楽しみでなりません。初心に戻ってしっかりと勤めたいと思います」と、気を引き締めました。

 

 菊之助は、「(博多座公演の際)上方の匂いがあふれる団七に向かっていくのはかなりプレッシャーがありました。文楽でのなまりや、歌舞伎のなまりを聞き、何日もかけて修正し、足を引っ張らないようにと勤めさせていただきました。こんなに早く、歌舞伎座で愛之助さんとご一緒させていただけるのは、とてもうれしいです。(一寸徳兵衛は)男気を見せる団七に惚れて、義兄弟の契りを結ぶ男なので、かっこいい愛之助さんの団七に食らいついてご一緒させていただくのが今から楽しみです」と、意気込みます。夜の部は、春夏秋冬を描く舞踊『四季』のなかで、春「紙雛」に菊之助の女雛、愛之助の男雛で出演します。

 歌舞伎座「三月大歌舞伎」は、26日(火)まで、歌舞伎座「四月大歌舞伎」は4月2日(火)から26日(金)までの公演。チケットはそれぞれ、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2024/03/22