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幸四郎が「日本クリエイション大賞 2020『伝統文化革新賞』」を受賞

幸四郎が「日本クリエイション大賞 2020『伝統文化革新賞』」を受賞

 

 3月16日(火)、「日本クリエイション大賞 2020」の表彰式が行われ、『伝統文化革新賞』を受賞した松本幸四郎が出席しました。

 一般財団法人日本ファッション協会が主催する「日本クリエイション大賞 2020」は、「製品、技術、芸術・文化活動、地域振興、環境、福祉など、ジャンルを問わずクリエイティブな視点で、新たな時代を切り拓いた人物や事象を表彰し、その素晴らしさを広く知らしめていくことを目的」とした顕彰事業です。

 

 今回、幸四郎は「新たな歴史を刻む動画配信歌舞伎の創造」が賞され『伝統文化革新賞』を受賞。「コロナ禍にあって演劇、音楽などすべての興行が休演や中止を余儀なくされ、歌舞伎もまた5カ月間の休演が続くなか、史上初の生配信専用作品“図夢歌舞伎『忠臣蔵』”を上演。構成・演出・出演した幸四郎は、試行錯誤しながら前例のない試みに挑戦し、400年を超える歌舞伎の歴史に新たな1ページを刻む作品を創造した」ことが評価されました。

 

松本幸四郎受賞コメント

 昨年、3月の舞台が中止になりまして、続いて4月、5月、6月、7月と舞台が決まっておりましたが、すべて中止になり、「いつ開くんだろう、いや開かないのかもしれない」と愕然とした思いで過ごしていました。舞台が開かなければ役者は何もできないと、その無力感を感じていましたが、ひと月くらい経ってでしょうか、「いや、舞台でなくてもお芝居をする場があるはずだ。お客様に観ていただきながらお芝居をする場があるはずだ」と思って行きついたのが、図夢歌舞伎でございました。

 

 それを評価していただき、受賞させていただいたということで、歌舞伎の代表として、出席させていただいております。歌舞伎には役者はもちろんでございますが、それを制作する人や、歌舞伎の職人、衣裳さん、床山さん、大道具さん、小道具さん、音楽の方々、すべてその手の職を動かしたいという思いから図夢歌舞伎という場が出来上がりました。

 

 当時は、舞台が開かないなかで、お芝居をする場が図夢歌舞伎のみでございました。幸いなことに昨年8月から歌舞伎座の舞台が再開され、毎月興行させていただき、また地方公演も始まりました。しかし、図夢歌舞伎は始まったばかりだと思っています。劇場に足を運んでいただくお芝居とともに、配信という「どこでも、いつでも、どこででも、どこまででも」観ることができる歌舞伎。歌舞伎は400年以上の歴史がありますが、図夢歌舞伎も、400年とは言いませんが、100年続くその始まりだと思っております。これからも発展していくよう、力になっていきたいと思います。本日は、本当にありがとうございました。

 

2021/03/19