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愛之助、今井翼が語る大阪松竹座「十月花形歌舞伎」

愛之助、今井翼が語る大阪松竹座「十月花形歌舞伎」

 

 

 10月5日(火)から始まる大阪松竹座の「十月花形歌舞伎」『GOEMON 石川五右衛門』に出演の片岡愛之助、今井翼が、作・演出の水口一夫とともに公演について語りました。

 『GOEMON 石川五右衛門』が初めて「システィーナ歌舞伎」として上演された平成23(2011)年から、今年で10年。初演が行われた大塚国際美術館システィーナ・ホールに続いて、大阪松竹座や新橋演舞場での再演を重ね、これで5回目の上演となります。愛之助は初演より勤めてきた石川五右衛門を、そして今井は前回と同じくカルデロン神父と霧隠才蔵の2役を勤めます。

 

愛之助、今井翼が語る大阪松竹座「十月花形歌舞伎」

 

5回目の『GOEMON』

 初演から作・演出を勤めてきた水口は、『GOEMON』について、「5回もやらせていただけて、非常に幸せな作品、作者冥利に尽きるお芝居です」と表現。「和と洋のコラボレーション」というテーマのもとにフラメンコを取り入れたことや、赤毛の五右衛門という人物が生まれたこと、そして再演のたびに劇場に合わせた演出や、新たな出演者や役柄の魅力を加えながら進化してきたことを、感慨深げに振り返りました。

 

 愛之助は再演を喜ぶとともに、「5回にとどまらず6回7回、そして10回と勤めたい」と意欲を見せ、「初めて歌舞伎をご覧になられる方にはわかりやすい演目ですし、普段からご覧いただいている方は、いろいろなお芝居のパロディを見つけて楽しんでいただきたい」、と作品をアピール。また、『金門五三桐』といった古典でも演じてきた石川五右衛門について、「強きをくじき弱きを助ける面や、懐の深いところが大好きで、勤めていて気持ちのよいお役です」と、その魅力を伝えます。

 

愛之助、今井翼が語る大阪松竹座「十月花形歌舞伎」

 

出演者の絆

 今回も登場するフラメンコについて、「(フラメンコ指導の)佐藤浩希先生が、毎回レベルを上げた振付をしてくださるので、そこに食らいついていくという感じです。今回もどんな振りが出来上がるか楽しみです」と、意気込む愛之助。「初めて観たときに、奇想天外で、歌舞伎の面白さを感じた」と、『GOEMON』への熱い思いを語る今井は、「伝統芸能を守る方々が常に鍛錬されている世界に僕を入れてくださるので、とにかく歌舞伎のお芝居に向かっていくことに必死です」と、真剣な表情を見せました。

 

 「毎回緊張して身の引き締まる思いですが、愛之助さんたちと一緒にお芝居ができる喜びがあります。皆様の胸をお借りして、また自分自身が新しい景色が見られるように、そしてきちんとしたお芝居ができるよう一所懸命準備をしたいです」。そう語る今井について、愛之助が、「翼くんは本当に真面目で熱い男です」と紹介する場面も。時折、目を見交わして笑顔で話す二人の様子から、これまでの舞台を経て結ばれた絆が感じられます。

 

人の情を描く

 コロナ禍で、これまで眼目の一つだった客席での立廻りなどを行うのが難しいなか、水口は「新しい姿の『GOEMON』として、上方歌舞伎らしい、人の心や情を強く打ち出していくお芝居にしたい」と、新たなみどころを盛り込む考えを明かしました。続く愛之助の、「芝居は進化していくものだと思います。水口先生とどうしようかとお話させていただいたり、考えたりすることが楽しいです。より歌舞伎味あふれる作品になりました」という言葉に、いっそう期待が高まります。

 

 今井は、「愛情や人のつながりなど、観てくださる方々のエネルギーとなる作品にしていくことが、テーマとしてあります。思い切ってやらせていただきたいです」と、改めて決意を固めます。最後に愛之助が、「このご時世でどうなるかわかりませんが、一歩ずつ踏み出していくしかないので、感染対策もしっかりして細心の注意を払いながら、千穐楽まで駆け抜けたいと思います。安心して観に来てくださいませ」と、力強く呼びかけました。

 大阪松竹座「十月花形歌舞伎」は10月5日(火)から27日(水)までの公演。チケットは、8月31日(火)より、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売予定です。

 

愛之助、今井翼が語る大阪松竹座「十月花形歌舞伎」

 左から、山根成之松竹株式会社専務取締役・演劇本部長、今井翼、片岡愛之助、水口一夫

2021/08/30