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幸四郎、猿之助、歌舞伎座『花競忠臣顔見勢』に向けて

幸四郎、猿之助が語る、歌舞伎座『花競忠臣顔見勢』

 

 11月1日(月)から始まった、歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」第三部『花競忠臣顔見勢(はなくらべぎしのかおみせ)』に出演中の松本幸四郎、市川猿之助が、公演への意気込みを語りました。

新たな「忠臣蔵」の世界

 歌舞伎の三大名作狂言の一つ『仮名手本忠臣蔵』をはじめ、赤穂浪士の討ち入り事件を題材とした忠臣
蔵物は、多くの人の心を惹きつけてきました。今回の上演では、名場面満載の「忠臣蔵」の世界を新たな構成でお届けします。花形俳優が顔をそろえ、それぞれの場面を勢いよくスピーディーに、まるで競い合うように展開する『花競忠臣顔見勢』。出演するのは、これまでにも「弥次喜多」シリーズなど、さまざまな話題作で共演してきた幸四郎と猿之助です。

 

幸四郎、猿之助が語る、歌舞伎座『花競忠臣顔見勢』

 

 上演の経緯を、幸四郎は「歌舞伎の興行形態もずいぶん変わったなかで、どういったことができるかを考え、一歩でも前進していけるようにと。“忠臣蔵”を凝縮して、この興行形態でもできるように考えて実現しました」と、振り返ります。当初、古典を縮めて上演することも考えたと明かすのは猿之助。「『仮名手本忠臣蔵』は完成された作品なので、それを崩さず、“忠臣蔵外伝”部分を描くことで本筋を浮き上がらせようと思いました。幕の内弁当のようないいところどりで、ひと味もふた味も違う作品となっています」と、魅力を語ります。

 
幸四郎、猿之助が語る、歌舞伎座『花競忠臣顔見勢』

 

歌舞伎の希望となる舞台に

 猿之助が演出を勤め、ドラマチックかつスピーディーに展開していく本作は、それぞれ大きな役を勤める若手俳優たちの活躍もみどころです。「同輩が一緒に出演する機会が少ないなかで、今回は若手の俳優たちが一緒に舞台に立ち、大きな役をやります。これからの歌舞伎の希望となる舞台になれば」と、思いを込める幸四郎。猿之助は、「それぞれの場面の主役には、当たり役になってほしいという思いをもって、彼らがこれをしっかり勤められるようになると見越したうえで配役をしております」と、期待を寄せました。

 

 「数日間にわたる物語の展開を肌で感じていただける構成で、客席の皆さんにも義士の一部のような感覚で観ていただけると思います。ドラマや登場人物を追いながら、楽しんでいただきたいです」と、幸四郎がアピールすると、猿之助が、「せりふ劇で、凝縮した時間のなかでじっくり観ていただくつくりになっております。大序の場面でもひと工夫加え、驚きの発端になっておりますので、楽しみにご覧いただきたいです」と、締めくくりました。歌舞伎の未来への希望が込められた『花競忠臣顔見勢』に、どうぞご期待ください。

 歌舞伎座「吉例顔見世大歌舞伎」は26日(金)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で発売中です。

 

2021/11/04