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「南座 歌舞伎鑑賞教室」に向けて
5月12日(木)から南座で始まる「南座 歌舞伎鑑賞教室」に出演の、片岡千壽、上村吉太朗、茂山逸平(大蔵流狂言師)が、公演に向けての意気込みを語りました。
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親しみやすいトークと演目で平成5(1993)年より毎年公演され、好評を博していた「南座 歌舞伎鑑賞教室」。平成27(2015)年以来7年ぶりとなるこのたびの公演では、解説『歌舞伎のいろは』、『吉野山』が上演され、静御前を千壽が、佐藤忠信実は源九朗狐を吉太朗が勤めます。
7年ぶりの歌舞伎鑑賞教室
「歌舞伎鑑賞教室では、まだ上方歌舞伎塾の塾生だった頃、(上村)吉弥さんの静御前のお手伝いをしていました。今回、自分が静御前を勤めさせていただくと思うと、大変感慨深く、たくさんの思いがあふれてまいります」と、切り出すのは千壽。吉太朗は、「部屋子披露させていただいた南座で忠信を踊れることになり、身の引き締まる思いです。過去の歌舞伎鑑賞教室でも、連獅子など、思い出深い演目をやらせていただきました。今までのお役の経験を活かして、成長したいです」と、抱負を語ります。
狂言師として初めて解説をつとめる茂山逸平は、「例えば歌舞伎では化粧をしますが、能や狂言では、化粧をせずに面をします。狂言という、歌舞伎とよく似たお芝居に携わるものがご案内させていただきますので、能・狂言と歌舞伎の違いをご説明していきたいです。歌舞伎はもちろん、狂言という言葉だけでも、たくさんの方に知っていただけたら」と述べ、新たな視点での解説に、期待が高まります。
上方歌舞伎役者の心を大切に
演目の『吉野山』について、千壽は「今回は竹本だけでの上演ですので、古風な感じが出せれば。このような大役をさせていただけるのは、どこかで旦那(二世片岡秀太郎)に、何かをしていただいているようにも感じます。伝統ある南座での大役、上方歌舞伎役者の心を大切に勤めたいです」と、熱心に語ります。「吉太朗くんは達者な役者さん。芸事熱心で、同志という気持ちです。若さを吸収させていただいて踊りたいと思います」。
吉太朗も、「忠信であるところと、小狐のかわいらしさのギャップを大切にしたいと思い、先輩にご指導いただき、映像でも勉強しています」と、気合十分に続けます。千壽に対しては、「上方でも飛びぬけた存在。尊敬する、大好きな先輩です。真似をさせていただいたり、千壽さんがこの役をされたらどう演じるだろうと考えることもあります」と、信頼をのぞかせました。
大勢の方に届く舞台を
「南座は、上方歌舞伎の俳優にとって大切な劇場。劇場にも助けていただきながら必死に勤めたいです。公演中は、歌舞伎を観たことのない方にも届くよう、SNSでの発信も積極的にできたらと思っています」と、明かす千壽。吉太朗も、「学生さんに来ていただいたのが印象的でしたので、今回も、多くの学生さんにぜひご来場いただけたら。まずは見た目や音楽など、芸術的なことに触れて楽しんでいただきたいです」と、アピールしました。
さらに逸平が、「京都生まれ、京都育ちの自分にとって特別な場所である南座。その南座に毎日通えるというのも、今からとても楽しみです。たくさんの方に日本の伝統芸能の良さを知ってほしいと思っています」と、期待を込めました。
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「南座 歌舞伎鑑賞教室」は5月12日(木)から18日(水)までの公演。チケットは4月6日(水)から、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で発売予定です。