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猿之助が語る、歌舞伎座「四月大歌舞伎」

猿之助が語る、歌舞伎座「四月大歌舞伎」

 

 4月2日(土)から始まる歌舞伎座「四月大歌舞伎」第一部『天一坊大岡政談』に出演の市川猿之助が、公演への思いを語りました。

 「四月大歌舞伎」では『天一坊大岡政談』に出演する猿之助。江戸時代、八代将軍徳川吉宗のご落胤と称した天一坊が起こした「天一坊事件」を題材に、河竹黙阿弥は鎌倉時代に置き換えた『吾嬬下五十三驛(あずまくだりごじゅうさんつぎ)』(『天日坊』)と、初代神田伯山が得意とした講談をもとにした本作を書き下ろしました。特に本作では、登場人物がみせる緊迫した問答の場面や、その流麗なせりふなどが眼目の一つとなっています。

 

猿之助が語る、歌舞伎座「四月大歌舞伎」

 

 今回のみどころを聞かれると、「それはもう、顔合わせの妙でしょうね」と意気込みます。大岡越前守を勤める松緑、山内伊賀亮を勤める愛之助とは久しぶりの共演だと言い、「同年代の二人とご一緒することがこれまで意外になかったので、その顔合わせと、やはり役者同士のぶつかり合いですよね。騙し騙され、裁き裁かれ…丁々発止が生まれるのではないかと、今から楽しみにしています」と、天一坊の周りで繰り広げられるドラマに、期待をふくらませている様子がうかがえます。

 

 昭和47(1972)年6月南座では、おじの市川猿翁(当時三代目猿之助)が天一坊を勤めました。「十三世(片岡)仁左衛門さんの大岡越前守だったそうです。おじは悪の限りを尽くす天一坊を楽しんで勤めたと聞いています」と、当時のエピソードを明かします。

  

 実際の事件と同じく将軍徳川吉宗のご落胤と偽り、稀代の企みの首謀者として悪の本性を見せる天一坊。「お芝居では、善よりも悪役が絶対面白いですよ」と、笑顔をのぞかせます。「“悪”に魅力がないと、大岡越前守の“善”も引き立たない。(大岡越前守を演じる)松緑さんに負けないように、思い切って立ち向かっていきたいと思います」と、クライマックスで展開される「大岡裁き」ヘ向けた熱い思いを語りました。

 歌舞伎座「四月大歌舞伎」は4月2日(土)から27日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2022/03/24