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巳之助、竹三郎に松尾芸能賞

巳之助、竹三郎に松尾芸能賞

 「第43回松尾芸能賞」贈呈式 前列左より、坂東竹三郎(功労賞)、春風亭小朝(優秀賞)、松尾國之公益財団法人松尾芸能財団理事長、野村萬斎(大賞)、伊東四朗(特別賞)、後列左より、尾上菊之丞(優秀賞)、坂東巳之助(新人賞)、シルビア・グラブ(優秀賞)、菊原光治(優秀賞)

 

 

 3月30日(水)、「第43回松尾芸能賞」贈呈式が行われ、演劇部門の新人賞を受賞した坂東巳之助と、功労賞を受賞した坂東竹三郎が出席しました。

 公益財団法人松尾芸能振興財団による松尾芸能賞は、「日本の文化・芸能の保存・向上に寄与した芸能出演者や演出・音楽・劇場芸能に高い技能を持つ人」に贈られるもので、今年が43回目となります。

 

巳之助、竹三郎に松尾芸能賞

 

 新人賞を受賞した巳之助は、「昨今の困難な興行状況のなかで常に精進に励み、歌舞伎界で古典から新作まで、さらに舞踊の演目でも、著しい成果を上げている。役柄も、荒事から二枚目まで幅広く、格調ある演技と、見事な口跡に抜群の資質が感じられ、これからが大いに期待される」と、評されました。

 

 「このような歴史ある賞を賜りまして、身に余る光栄に存じます。これからも、松尾芸能賞の名に恥じない役者になれますように、精進してまいります」と、感謝を込める巳之助。「新作歌舞伎や、漫画が原作の作品、いろいろな取り組みをさせていただいておりますが、何よりも、たくさんの方に歌舞伎をご覧いただきたいという一心でおります。歌舞伎役者としてこれからも修行を重ね、特に我々のような若い世代の方にも、歌舞伎を観ていただきたいという思いでおります」と、真摯に抱負を語りました。

巳之助、竹三郎に松尾芸能賞

 

 また今回は竹三郎が功労賞を受賞。選考理由として「上方歌舞伎の女方として幅広い役柄に挑み、『仮名手本忠臣蔵』のおかや、『女殺油地獄』のおさわなど、情愛あふれる母親像は秀逸の芸で、立役もこなす実力をもち、後進の指導にも定評がある」旨があげられ、第24回松尾芸能賞、優秀賞受賞後の自主公演の取り組みも、高く評価されました。

 

 登壇した竹三郎は、「長年、歌舞伎俳優をやってまいりましたが、このような立派な賞をいただくということは、やはり、歌舞伎をやっていてよかったなという思いで胸がいっぱいでございます。これからも命の続く限り、上方歌舞伎のために精進してまいりたいと思いますし、上方歌舞伎と、東京歌舞伎と、手を組んで、頑張って歌舞伎を盛り立てていきたいと存じます」と、力強く挨拶し、大きな拍手が送られました。

 贈呈式後の取材に出席した巳之助は、「新人賞を受賞されてから、優秀賞や大賞をとられている先輩もいらっしゃいますので、そこを目指して、これからも頑張っていきたいと思います」と、決意も新たに述べました。

 

巳之助、竹三郎に松尾芸能賞

 「第43回松尾芸能賞」 左より、坂東巳之助(新人賞)、春風亭小朝(優秀賞)、野村萬斎(大賞)、シルビア・グラブ(優秀賞)

2022/04/01