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明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 2023年4月8日(土)から上演される、明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」に出演の、中村梅玉、中村又五郎、中村芝翫、片岡孝太郎、松本幸四郎、片岡愛之助が、舞台への意気込みを語りました。

 明治座での歌舞伎公演は、平成29(2017)年5月以来6年ぶりの開催となる今回は、明治座創業百五十周年を記念する特別な公演となります。梅玉は、「150年の間に、先輩方の数々の名舞台が繰り広げられ、ここまで来ました。今回は、令和の歌舞伎の第一線で活躍する後輩たちと一緒に、先輩方に負けないよう、いい舞台をお見せできればと思っております」と、思いのこもった言葉で切り出しました。

 

明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 今から30年前、父・六世中村歌右衛門と最後に共演したのが明治座だったという梅玉は、「梅玉襲名の翌年、『二月堂』という親子のお芝居を勤めさせていただき、とても印象に残っています」と、感慨深く話します。昼の部を締めくくる『お祭り』について、「“流れは絶えず明治座の百五十年を壽いで”という副題がついておりますので、振付の藤間勘十郎さんとも相談して、口上か、もしくは踊りの振りを通じてお祝いを表現しながら、いつもの『お祭り』とは違った楽しみ方のできる趣向を考えております」と、意欲を見せます。

 

 
明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 平成5(1993)年の建て直し前の明治座歌舞伎公演には、毎年のように出演し、「朝から晩までさまざまな作品に出演させていただき、楽屋と舞台と、縦横無尽に一所懸命走っていた」と語る又五郎は、「思い出深き、明治座の記念の公演に出演がかない、ありがたく思っています」と、口調によろこびがあふれます。出演する夜の部『絵本合法衢』については、「南北特有の勧善懲悪ではありますが、悪は悪の、善は善の人間の性が描かれている作品だと思いますので、そのような点にもご注目いただければと思います。自分は、良い人の役です」と、主役で、悪役を勤める幸四郎に向かって話し、笑いを誘いました。

 

 
明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 明治座の思い出を、「橋之助の襲名興行を歌舞伎座で終えた翌日、明治座に猿翁(当時三代目市川猿之助)のお兄様の舞台を見に行くと、お兄様が舞台上から僕を見つけて舞台に上げてくださり、橋之助を襲名したことを披露してくださいました。すごくドキドキした」と懐かしそうに話す芝翫は、昼の部で、26年ぶりの上演となる『大杯觴酒戦強者(おおさかづきしゅせんのつわもの)』に挑みます。「この演目は、明治座に深い縁のあった初世市川左團次のために黙阿弥が書いた作品。演出はリアルでありつつ、世話であったり、義太夫が入ったり、歌舞伎の醍醐味が凝縮されています。春を迎える4月に、みんなで楽しく一丸になって、心晴れる芝居にしていきたいと思います」と、意気込みは十分。

 

明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 孝太郎は、「新開場のときに、祖父(十三世片岡仁左衛門)と一緒に出させていただいて以来、明治座の舞台に立つのは2回目になります。節目節目で出させていただいて、今回は息子(片岡千之助)も出演しますので、こんなにありがたいことはありません」と話し、明治座出演の楽しみとして、劇場周辺の美味しいお店にも期待を寄せます。夜の部『絵本合法衢』では、「両極端な2役をいずれも初役で勤めますので(坂東)玉三郎のお兄さんに稽古をつけていただいて、取り組んでいる最中」とのこと。「夜の部に限らず、すべての演目が明治座創業百五十周年バージョンですので、お客様に楽しみに観に来ていただけたらうれしいです」と、語ります。

 

 
明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 明治座について、「思い出深く、強い記憶の残っている劇場です。その節目にこうして出演できることを本当にありがたく思っております」と、話す幸四郎は、昼の部、夜の部ともに初役に挑みます。特に『絵本合法衢』は、「私にとって、これまでで一番と言ってもいいくらい大きな作品です。祖父(初世松本⽩鸚)と父(現 ⽩鸚)の、たくさん書き込みのされた台本がありますので、それらを見ながらつくり上げていきたい」と、気合十分。「花咲く季節に、色とりどりの、匂いと、刺激、そして(自分の勤める)悪い人を楽しんでいただきたい」と、笑顔を見せます。

 

 
明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」、出演者が語る意気込み

 

 歌舞伎の三大名作の一つ、『義経千本桜』「鳥居前」の佐藤忠信を初役で挑戦することになる愛之助は、「たくさん勉強をさせていただいてきた明治座の、節目の公演に出演させていただき、本当にありがたく思っております。創業百五十周年を記念する公演ですので、芝翫兄さんに習いながら、立廻りもいつもとは変わったものにしたいと思います」と、特別な思いを明かします。「若手中心のメンバーになりますので、精一杯頑張ります。忠信が狐の本性を垣間見せる瞬間を見つけてもらえましたらうれしいです」と、話して締めくくりました。

 明治座「壽祝桜四月大歌舞伎」は、4月8日(土)から25日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹明治座で販売中です。

2023/03/06