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6月、7月勘三郎 コクーンで2つの『桜姫』

6月、7月勘三郎 コクーンで2つの『桜姫』

 6月、7月Bunkamuraシアターコクーンでは『桜姫』が上演されます。『桜姫』は原題を『桜姫東文章』といい、四世鶴屋南北が書き下ろした歌舞伎の人気狂言で、6月はこの作品を今の時代に書き換えての現代劇として、7月はコクーン歌舞伎第十弾として上演します。

 6月『桜姫』の脚本は長塚圭史、出演は秋山菜津子、大竹しのぶ、笹野高史、白井晃、中村勘三郎、古田新太、7月『桜姫』の出演は中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、中村七之助、笹野高史で、演出は両月とも串田和美が手がけます。

 Bunkamura20周年、そして1994年にスタートしたコクーン歌舞伎も今回で10回目となる記念すべき2009年の夏、魅力ある顔ぶれによる二つの『桜姫』。上演に先立ち製作発表が行われ、出演者らが意気込みを語りました(中村橋之助、笹野高史は欠席)。

中村勘三郎
 6月の『桜姫』でご一緒する、秋山さん、大竹さん、白井さん、古田さん、皆さんのお芝居が大好きで、その方たちと共演させていただくのは、とても嬉しく夢のようです。
 大竹さんとは30年ぶりの舞台での共演ですが、当時、女優さんとの共演はほとんど初めての事で、すっかり好きになってしまった事を覚えています(笑)。
 6月は釣鐘の権助で、7月は僧清玄を勤めます。7月は七之助が桜姫なので、息子とのラブシーンは精神的に...それで7月は権助を辞退させていただきました(笑)
 演出の串田監督が鶴屋南北の『桜姫』をどのように料理するか、ワクワクしながら稽古に臨みたいと思っています。

大竹しのぶ
 15年前初めてコクーン歌舞伎を拝見し、客席で受けた感動はいまも鮮明に記憶に残っています。その舞台をみて、私ももっともっとがんばらなくちゃ、そしていい芝居ができるようになりたいと心から思いました。

 今回そのコクーン歌舞伎のチームと一緒にお芝居をできることがすごく楽しみです。みなさんと、舞台から感動とエネルギーが伝わるようにがんばりたいと思っています。
 勘三郎さんのご家族とはよくお会いして、お食事をご一緒させていただくほど仲が良いのですが、この公演を前にして、女優をしていてあまり感じたことの無い強いライバル心を、初めて七之助さんに感じています(笑)

古田新太
 今回、このような素晴らしいチームに呼んでいただき、非常に嬉しく思っています。勘三郎さんは以前から「舞台をご一緒したいね」とおっしゃってくださっていて、やっと念願が叶い一緒の舞台に立てることができてとても喜んでいます。
 他にも初めてご一緒する白井さんや、先輩方との共演も楽しみですが、何より教え子の大竹しのぶがどのような成長をしたのか、舞台でじっくり見たいと思っています(笑)。

白井晃
 私も15年前にコクーン歌舞伎を拝見させていただき、現代劇をしている私にとっては疎遠なものと思っていた歌舞伎が、こんなに面白いものかと興奮したことを覚えています。
 そんなコクーン歌舞伎の新たな試みに参加させていただき、とても興奮しています。どうなるか、楽しみにしていてください。

秋山菜津子
 私もコクーン歌舞伎が大好きで、今回現代版のメンバーに入れていただきとても光栄です。すごくパワフルなメンバーですので、いいお芝居になると思っています。そして、7月の『桜姫』に負けないようにがんばりたいと思っています。
 今回、古田さんとコンビを組んで悪人を勤めます。相手が古田さんですので、俄然勇気が沸いてきています(笑)。

6月、7月勘三郎 コクーンで2つの『桜姫』

中村扇雀
 前回コクーン歌舞伎で『桜姫』を上演させていただいた時は、勘三郎さんがいらっしゃらない公演で、串田監督や福助さんたちと色々考えを出し合いながら、苦労して創り上げた事を思い出します。今回は勘三郎さんがきっと引っ張って下さると思うので、今からとても楽しみにしています。
 6月に秋山さんが演じられる局長浦を、7月は私が勤めます。歌舞伎の場合、女優さんがお作りになった役を参考にするという機会がほとんどありませんので、その舞台から、きっと自分が今まで気がつかなかった事を発見できるのではないかと楽しみにしています。

中村七之助
 7月、桜姫という大役を勤めさせていただきますが、今から不安と緊張でいっぱいで、今回はコクーン歌舞伎を楽しむ余裕がほとんどありません。しかも6月には大好きな大竹しのぶさんが同じ桜姫を演じられるので、そのプレッシャーに毎日眠れない夜が続くのではないかと不安です。
 桜姫は、流れに身を任せてしまう、どこか不思議なお姫様です。目標が見えず好奇心と不安に身を任せている今の時代の若者と重なるところもあって、そういう感じが出せたらいいなと思っています。若い世代の方々が、6月の『桜姫』をみて、その後7月の歌舞伎の『桜姫』を観て「歌舞伎の桜姫は面白くないね」と言われないように、精一杯頑張りたいと思っています。

坂東彌十郎
 15年前のコクーン歌舞伎は、僕も客席から拝見しておりました。その時、なぜ自分が舞台に出ていないのかと、とても悔しい思いをしました。多分6月の『桜姫』を拝見すると、きっと「なぜこの舞台に自分がでていないのか」と同じように思うのではないでしょうか。それくらい今から楽しみにしています。
 串田監督、勘三郎さんとご一緒するコクーン歌舞伎では、同じ演目の再演のときでも、新しい事を必ず経験することができます。今回もとても楽しみにしています。

公演情報は、こちらをご覧ください。

6月、7月勘三郎 コクーンで2つの『桜姫』

2009/04/23