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獅童が語る「松竹特別歌舞伎」
2024年6月30日(日)から全国22会場で行われる、「松竹特別歌舞伎」に出演する中村獅童が、公演について語りました。
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多彩な演目と解説を楽しんで
(公社)全国公立文化施設協会主催による今回の巡業公演は、『中村獅童のHOW TO かぶき』、『鞘當』、『供奴』、『橋弁慶』と、多彩な演目をお届けします。最初の『中村獅童のHOW TO かぶき』は、令和4(2022)年の巡業でも上演され好評を博しました。獅童は、「通常は楽屋でないと見られない、お化粧や衣裳、鬘をつけて役に近づいていく過程を、解説と合わせてご覧いただきます。お客様に興味をもっていただき、そのまま次の演目に入っていけるよう、『鞘當』の出演者に扮装をしてもらおうと考えています」と、構想を明かします。
「解説は、その日その会場のお客様の層に合わせて、ほかの上演演目の内容や、歌舞伎の面白さについて、わかりやすくお話しできたらと思います。また、各会場ご当地のおすすめの食やスポットなどについて、お客様と私が、直接やりとりさせていただけたら」と、アイディアを温めている様子。年齢問わず歌舞伎を初めてご覧になる方にも馴染みやすい解説や、会場ごとに異なるトークが楽しめる舞台に、期待が高まります。
三幕目の『供奴』を演じるのは、中村種之助です。獅童は、「舞踊作品は、見たままで楽しめます。『供奴』でしたら、その軽快な踊りや、三味線や鼓の音に合わせて足拍子を踏む場面など、理屈ではなく、目で見て感じる楽しさが、お子様や初めて歌舞伎を観る方にも伝わるのではないかと思います」と、そのみどころを伝えました。
初めて親子で臨む巡業
『橋弁慶』では、獅童が武蔵坊弁慶を、歌舞伎座「六月大歌舞伎」で初舞台を踏む中村陽喜が牛若丸を演じます。「陽喜が好きな踊りです。教わった通りにのびのびと元気よく演じてくれたら。6月の歌舞伎座公演の後にこの巡業が続き、ハードスケジュールですが、本人は舞台に出ることが大好きですので、“やる”と。“本当に頑張る”とも言っていました。陽喜も、初めての巡業で、各地で皆様にお目にかかるのを非常に楽しみにしております」。
「各地で、何を食べるか、どこに行くか、を考えることも巡業の楽しみの一つです」と話しながら、「歌舞伎公演ではありませんでしたが、萬屋錦之介(初世中村錦之助)の叔父と巡業に行ったのが19歳のときでした。朝も夜もずっと一緒にいると、普段話せないようなことも話せたりして。“多くの先輩に教わって、とにかく生の芝居を見て覚えなさい”と声をかけてもらったことを覚えていますね」と、思い出を振り返ります。「今回は陽喜と二人で、いろいろなことを話せたらいいなと思っています」と、初めて親子で臨む巡業への思いはひとしおのようです。
これからも、「小さなお子様から歌舞伎通の方まで楽しんでいただけるような公演をやり続けたい」と、志を明かした獅童。「今回の巡業は6歳の陽喜も出演しますので、お子様からお年を召した方までご一緒に、ご家族で観に来ていただきたいですね。観やすい演目を選び、解説を加えることで、歌舞伎をより身近に感じていただけたらうれしいです。あまりかしこまらずに、舞台を観て“いいな”と感じたときは拍手をしたり、面白かったら笑ったりと、自由にご覧いただけたら」と、笑顔で呼びかけました。
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「松竹特別歌舞伎」は6月30日(日)から7月31日(水)まで、全国22会場で開催。チケットの詳細は公演情報のお問い合わせ先でご確認ください。