2025年2月19日（水）よりオリックス劇場、3月1日（土）よりTHEATER MILANO-Zaで上演される「JAPAN THEATER『SEIMEI』」に出演の市川團十郎、嶋﨑斗亜（Lil かんさい）が、脚本の今井豊茂、演出の広井王子、神楽振付のケント・モリ、歌舞伎音楽の田中傳次郎とともに、公演への意気込みを語りました。

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新しい晴明像

　さまざまな分野で活躍する顔ぶれが集結し、安倍晴明の世界を描く「JAPAN THEATER『SEIMEI』」。本作で描かれる晴明像について團十郎は、「彼が辿った軌跡は、さまざまなドラマや書籍などでも学ぶことができますし、これまでも多くの方が安倍晴明を演じているのでイメージも確立されていると思いますが、今回はそのイメージを良い意味で崩せるよう努力したいと思っています。歌舞伎はすでに世の中にある作品の全てを踏まえたうえで、 それを凌駕して超越していくところに面白さがあり、表現できる古典性をもっていると思います」と、新しい晴明像へ気合を込めます。初めて團十郎と共演する嶋﨑は、「團十郎さんと同じステージに立つことへのプレッシャーもありますが、自身の若い力も舞台に活かしていけたら」と、語ります。

　「いち俳優として、皆様のお力とともに、新しく安倍晴明を立ち上げていく感覚で進めていきたいです。市川團十郎家ですので、少し荒ぶるものも出てくるような、今までにはない晴明をつくり上げられたら」と、これから始まる作品づくりへの展望を語る團十郎。その言葉を受け、脚本の今井が、「窮地に立たされてもそれを乗り越えていく、積極的な晴明を描きたい」と続け、演出の広井も、「静ではなく、荒事を用いた動の晴明を目指したいです」と、作品の方向を見据えました。

　神楽振付のケント・モリは「ストーリーができるのがとても楽しみで、そろったときに自分のなかから出てきたものを神楽振付として落とし込んでいきたいです」と、制作過程への期待を語り、歌舞伎音楽の田中も「楽曲担当のSUGIZOさんからバトンを受け取り、どう歌舞伎音楽へと繋げていくか、またケントさんに歌舞伎の神楽の音で振り付けいただくのも楽しみです」と、ともにつくり上げるスタッフ陣への思いを続けました。

古典から新作へ

　令和4（2022）年11月から襲名披露興行が始まり、長く古典に向き合ってきた團十郎。「襲名披露興行期間中は古典を演じながら、“團十郎”という名前の重みや名跡に意識を向けてきました。おかげさまで10月の大阪で襲名披露興行の締めくくりを迎えるため、新たに動き出すタイミングで本作を上演します」と、これまでを振り返ります。

　「今の日本人に足りないものを求める作品づくりができればと思っています。表現者の皆様と力を合わせて何が足りないのかを考え、探してお届けすることで、お客様にとって何か気づきとなるような、また我々の気づきにも繋がるような作品をつくりたいと常々考えていました。本作がその第一歩になると思います。今日、皆さんの話を聞きながら大体イメージができましたので、初日が1週間後でも大丈夫です（笑）」と、会場の笑いを誘いながら、力強く目標を掲げました。

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　「JAPAN THEATER『SEIMEI』」は、2025年2月19日（水）～24日（月）大阪 オリックス劇場、3月1日（土）～23日（日）東京 THEATER MILANO-Zaでの公演。チケットの詳細は、それぞれの公演情報をご確認ください。