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勘九郎、七之助が語る、歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」
2025年2月2日(日)から始まる歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」に出演する中村勘九郎、中村七之助が、公演についての思いを語りました。
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6度目の「猿若祭」
400年前の寛永元(1624)年、初世猿若勘三郎が、江戸で初めて歌舞伎の興行を行ったことを記念する公演として、昭和51(1976)年に十七世中村勘三郎を中心に始まった「猿若祭」。松竹創業130周年の記念の年となる来年、令和7(2025)年2月に、歌舞伎座で6度目の「猿若祭」の開催が決定しました。
勘九郎は、「松竹130周年という本当におめでたい年に、『猿若祭』として2月公演を開催できることをとてもうれしく思います。演目も非常に豪華になっておりまして、昼の部では、歌舞伎の魅力が凝縮された『鞘當』に続いて、豪華絢爛な美しい舞台『醍醐の花見』、そして父・十八世中村勘三郎が30代の頃、昭和63(1988)年に、セゾン劇場で上演しました『きらら浮世伝』という作品に、私と七之助とで挑戦させていただきます」と、意気込みます。
続いて、夜の部について勘九郎は、「玉三郎のおじさまが『阿古屋』を、この“猿若祭”で上演してくださるのは、本当に幸せなことです。そして歌舞伎座での上演は久しぶりとなる舞踊『江島生島』、最後に十七世、十八世勘三郎がともに大事にしてきた、大好きな芝居である『文七元結』を、私と七之助でお届けします」と、熱を込めて話します。七之助も「今年2月の“猿若祭”では、本当に多くのお客様に歌舞伎座へお越しいただき、いっぱいの客席を見てうれしかったです。各地での公演にも駆けつけていただき、皆様のご声援のもと、父の十三回忌追善興行を1年間走り切ることができました。来年の2月も“猿若祭”が開催でき、本当に素晴らしい演目がそろいました。一所懸命勤めさせていただきます」と、気合は十分。
蔦屋重三郎を描く『きらら浮世伝』
37年前の作品を上演することになったきっかけを聞かれると勘九郎は、「来年のNHK大河ドラマで、蔦屋重三郎が描かれることももちろん理由の一つですが、彼を中心として、江戸時代の芸術家や若い才能たちが爆発していた青春群像劇を私もいつかやりたいと思っていました。初演の際は、小劇場と歌舞伎のパワーが融合されたすばらしい作品になっていたと思いますし、そこに歌舞伎座という私たちの聖地のパワーもいただいて、さらに美しさをプラスした作品をお見せできたらと思います」と、その思いを明かします。
父・十八世勘三郎と食事をする際、『きらら浮世伝』の稽古の様子を聞いていたという七之助は、「その稽古がまさに爆発的だったということは、100回以上聞きました。そういった稽古場での雰囲気が舞台に出るのだろうと思いますので、父がどういう思いでやってきたのか、話してくれたことを胸に稽古に臨むつもりです。また、歌舞伎座仕様の演出にも、皆様に期待してほしいです」と、父との思い出を振り返りながら語りました。
最後に、勘九郎の長男・中村勘太郎も出演する『文七元結』について聞かれると、勘九郎は、「私と七之助で、長兵衛とお兼の夫婦で出演させていただきます。この現代社会で忘れがちな、困っている人がいれば惜しみなく手を差し伸べる人情というものに、ほっこりしていただく作品だと思います。勘太郎も、舞台に立つこと、芝居をすること、お客様に喜んでいただくことを楽しみながらやっている様子に成長を感じています。みなで、楽しく勤められればうれしく思います」と、笑顔で語り締めくくりました。
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歌舞伎座「猿若祭二月大歌舞伎」は、2月2日(日)~25日(火)までの公演。チケットは、1月14日(火)からチケットWeb松竹、チケットホン松竹で、発売予定です。