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大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」初日開幕

2024年2月1日(土)、大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」が初日の幕を開けました。
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大阪・関西万博開催時に、国内外からの多くの来阪者に大阪の文化芸術を楽しんでもらうことを目的とし、地域の文化資源の魅力向上や、多彩で豊かな大阪の文化芸術の魅力発信を強化する「大阪国際文化芸術プロジェクト」。その一環である「立春歌舞伎特別公演」が、昨年に続いて今年も大阪松竹座で幕を開けました。
上方ゆかりの演目が並ぶ、本公演。昼の部は、八重垣姫の一途な恋心を描いた『本朝廿四孝』「十種香」で幕を開けます。八重垣姫を扇雀、腰元濡衣を壱太郎、花作り蓑作実は武田勝頼を虎之介、そして長尾謙信を鴈治郎が演じ、歌舞伎の様式美あふれる時代物の名作に観客は魅了されました。続く『恋飛脚大和往来』「封印切」は、上方和事の代表作。獅童が亀屋忠兵衛を勤め、最大の見せ場である公金の封印を切る場面では、狂気をはらんだ表情で熱演。壱太郎勤める傾城梅川とともに死出の旅へと向かう姿は、哀愁にあふれます。そして昼の部の切は、上方人情喜劇の『幸助餅』。松竹新喜劇の人気演目を鴈治郎(当時翫雀)が平成17(2005)年に歌舞伎として再構成した作品です。今回も、相撲好きの若旦那・幸助を鴈治郎が勤め、贔屓力士・関取雷五良吉を中車が勤めます。随所に相撲の言葉を散りばめたせりふが楽しく、情に厚い登場人物たちに思わずほろっとさせられる、心温まる幕切れとなりました。
夜の部は、歌舞伎三大名作の一つ『義経千本桜』より、「大内の場」から「奥庭の場」までを上演。普段出ることが少ない「大内の場」・「堀川御所の場」・「塀外の場」を上演することで、「初音の鼓」のいわれが明らかとなります。大詰「川連法眼館の場」・「奥庭の場」では、佐藤忠信と源九郎狐を勤める獅童。源九郎狐がその本性をあらわす場面では、舞台上の階段裏から突如出現し、早替りや欄干渡りなどケレン味あふれる演出で観客を魅了しました。また、僧兵との立廻りでは梯子を使って二階席に届く距離で見得をし、客席は熱い拍手に包まれます。最後は、鴈治郎勤める能登守教経、扇雀勤める源九郎判官義経、獅童勤める佐藤忠信、中車勤める秩父庄司重忠、壱太郎勤める静御前、虎之介勤める駿河次郎、團子勤める亀井六郎ら主要な登場人物たちが勢ぞろいし、満開の桜の下、絵面のように美しい舞台で締めくくりました。
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大阪松竹座「立春歌舞伎特別公演」は16日(日)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹、チケットホン松竹で販売中です。