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新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

 

 2026年1月3日(土)、新橋演舞場で「初春大歌舞伎」の初日が開幕しました。

 昼の部は『操り三番叟』で幕を開けます。後見(九團次)が人形箱から三番叟(右團次)を取り出すと、人形が軽快な踊りを見せます。鈴を鳴らしながら五穀豊穣を祈り舞い納めると、場内は正月らしい明るい雰囲気に包まれました。続いて『鳴神』。鳴神上人(Aプロ:中村福之助/Bプロ:鷹之資)のもとに、亡夫の供養と称して雲の絶間姫(廣松)が訪れます。その色気に惑わされ次第に堕落していく鳴神上人ですが、事の経緯を知ると怒り狂い…。初日は福之助が、柱巻きの見得や不動の見得をダイナミックに披露し、幕切れには六方で豪快に花道へ引っ込むと、客席からは割れんばかりの拍手が沸きました。そして『熊谷陣屋』と続きます。陣屋に戻った熊谷直実(團十郎)は妻の相模(雀右衛門)に、息子の活躍と敦盛を討ったことを明かしますが、そこに敦盛の母・藤の方(扇雀)が現れます。やがて義経(虎之介)による首実検が行われると…。團十郎が直実を10年ぶりに勤め、武将としての猛々しさや親の悲しみ、無念さを見事に演じ、胸を打つひと幕に惜しみない拍手が送られました。最後は『仕初口上』。獅子舞やおかめひょっとこが新年を寿ぎ賑やかに舞ったあと、團十郎が新年のご挨拶を述べ、「巻き触れ」に続き「にらみ」を披露すると、劇場はおめでたい雰囲気に満ちあふれました。

 

 夜の部は『矢の根』から。幕が開くと曽我五郎(新之助)が登場し、その勇ましい姿に思わず観客もほころびます。挨拶に訪れた大薩摩主膳太夫(男女蔵)が持参した宝船の絵を枕の下に敷いてうたた寝を始めますが、夢のなかで兄の曽我十郎(虎之介)の危難を告げられ…。最後は馬士畑右衛門(市蔵)から奪った馬で花道に引っ込み、大きな拍手が送られました。続く『児雷也豪傑譚話』は、河竹黙阿弥が八世市川團十郎にあてた演目で、代々成田屋に受け継がれてきましたが、このたび当代團十郎が初役で勤めます。舞台は越後の山奥。草刈娘(ぼたん)の案内でやってきたのは侍の尾形弘行(團十郎)。草刈娘の可憐な舞に舞台が華やいだところへ一陣の風が吹くと、どこからともなく弘行の名を呼ぶ声が鳴り響き…。術譲りやだんまりをはじめ、歌舞伎ならではの醍醐味と様式美を凝縮した世界観が観客を魅了しました。幕切れは『春興鏡獅子』です。優美に舞を披露した小姓弥生(團十郎)が、傍らに飾られている獅子頭を手にすると獅子頭に魂が宿り…。そこへ胡蝶の精(ぼたん・新之助)が登場し可愛らしく軽快に踊ります。親子の共演に温かい拍手が送られるなか、クライマックスには獅子の精(團十郎)が豪快な毛振りを披露し、会場の熱気も最高潮となりました。

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

 東劇ビル壁面装飾にもご注目ください

 東劇ビルには、「初春大歌舞伎」の巨大な壁面装飾が施され、東銀座の街を華やかに彩ります。團十郎による『仕初口上』のビジュアルがデザインされたこちらの広告は、日中は青空とともに晴れやかに、日没後はライトアップでくっきりと浮かび上がり、日々熱演が繰り広げられている新橋演舞場の初春公演の雰囲気をいっそう盛り上げています。ご観劇やお立ち寄りの際には、ぜひ合わせてご覧ください。

 新橋演舞場「初春大歌舞伎」は27日(火)までの公演。チケットはチケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

 

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『操り三番叟』左より、市川九團次、市川右團次

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『鳴神』(Aプロ)左より、中村福之助、大谷廣松

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『鳴神』(Bプロ)左より、中村鷹之資、大谷廣松

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『熊谷陣屋』左より、中村雀右衛門、市川團十郎、中村扇雀

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『仕初口上』市川團十郎

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『矢の根』市川新之助

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『児雷也豪傑譚話』左より、市川團十郎、市川ぼたん

新橋演舞場「初春大歌舞伎」初日の賑わい

『春興鏡獅子』左より、市川新之助、市川團十郎、市川ぼたん

2026/01/09