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扇雀、七之助がコクーン歌舞伎『四谷怪談』舞台安全成功祈願

扇雀、七之助がコクーン歌舞伎『四谷怪談』舞台安全成功祈願

 

 5月6日(金)、渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾『四谷怪談』出演の中村扇雀、中村七之助と、演出・美術の串田和美が、ゆかりの寺社を訪れ、舞台の安全と成功を祈願しました。

 6月にシアターコクーンで上演される『四谷怪談』は、上演される機会の少ない「深川三角屋敷の場」があり、お岩の悲しい運命だけでなく、お岩の妹、お袖の悲劇も描かれます。『四谷怪談』公演の前に恒例となったお岩様に関連する寺社への参拝には、お岩役の扇雀とともに、お袖を勤める七之助も、演出・美術の串田と一緒に参加しました。

 

扇雀、七之助がコクーン歌舞伎『四谷怪談』舞台安全成功祈願

 妙行寺にてお岩様の墓に参拝する、中村扇雀、中村七之助、串田和美

 初めに、西巣鴨の妙行寺でお岩様の墓に参拝し、四谷へ移動して於岩稲荷田宮神社、そして、お岩様の木像が安置されている陽運寺の本堂で、お岩様の霊をなぐさめる法要を執り行い、舞台の安全と公演の成功を祈願しました。

 

 参拝を終えて扇雀は、「私自身、十八世勘三郎さんが亡くなってから初めてのコクーン歌舞伎になります。これまでのものを踏まえながらも、まったく新しい『四谷怪談』をつくろうということで、原点に返って、第一回のつもりで頑張る心づもりです。“コクーン歌舞伎”として、皆様のご期待に応える舞台にします」と、意気込みを語りました。

 

 七之助は父、十八世勘三郎の意志を受け継ぐことを心に深く刻みつつ、「第一回の『東海道四谷怪談』(平成6年)千穐楽の、最後の立廻りが衝撃でした。翌月上演される串田さん演出の『上海バンスキング』の“シング・シング・シング”の音楽に乗せての立廻りに、感動して泣いた思い出があります。その衝撃を超えられるようにやりたいです」と語り、自分たちにしかできない『四谷怪談』にと、意欲を見せました。

 

 渋谷・コクーン歌舞伎が始まってはや22年、第十五弾となる今回は、平成18(2006)年に再演された『四谷怪談』の[北番]がベースとなります。七之助が話した第一回の衝撃の千穐楽を、「つい昨日のことのよう」と振り返った串田は、「古典を守りつつ、進化もさせてその時々の『四谷怪談』をつくらないといけないと思っています。明日の稽古初日はザワザワした日になりますね。これから皆でひと月かけてつくり出す舞台を、楽しみにしていてください」と、歴史をふまえてなお前進する力強さを言葉にしました。

 渋谷・コクーン歌舞伎 第十五弾『四谷怪談』は、6月6日(月)から29日(水)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹Bunkamuraほかで販売中です。

 

扇雀、七之助がコクーン歌舞伎『四谷怪談』舞台安全成功祈願

 陽運寺の本堂での法要。右より、中村七之助、串田和美、中村扇雀

2016/05/08