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「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

 「第十一回 永楽館歌舞伎」 左より、橋本芳孝松竹株式会社演劇製作部ゼネラルマネジャー、上村吉弥、中村壱太郎、片岡愛之助、中貝宗治豊岡市長、大谷桂三、大橋直人永楽館歌舞伎実行委員会会長

 

 

 10月17日(水)、兵庫県 出石家老屋敷で、「第十一回 永楽館歌舞伎」歓迎セレモニーが行われ、片岡愛之助、中村壱太郎、上村吉弥、大谷桂三が登場しました。

 18日(木)に出石永楽館で初日を迎える「永楽館歌舞伎」。10年ひと区切り、気持ちも新たに11回目の公演に向け、地元出石の名所、出石家老屋敷で出演者を迎えての歓迎セレモニーが開かれました。

 

「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

 「お帰りなさい!」の声と拍手の中、登場した四人。ちょうど、お客様が劇場に“振り込む”縁起のいい雨となり、愛之助が11年目の開催に感謝して挨拶に立ちました。「初役で『弁慶上使』の弁慶を勤めさせていただきます。ぜひ、イヤホンガイドを借りてご覧ください。私のメッセージも入っております。また、今回は、(上演リクエストの)公募で選ばれた『神の鳥(こうのとり)』、つくらせていただいたのは4年前でしょうか、これを再演させていただきますことがうれしい。明日初日、千穐楽まで力いっぱい勤めたいと思います」。

 

「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

 公演中になかなか観光できず、会場となった家老屋敷に入れたことを喜んだのは壱太郎。「時代物の『弁慶上使』、懐かしい『神の鳥』はまた楽しく踊っていきたいと思っております。いろいろとお話を聞きたい方は、ぜひ『口上』で」と意気込みを見せた後、「しかし、11回目ともなると、さすがに『口上』のネタがございません。ぜひ私にネタをください。お手紙でも現物でも、楽屋にください」と呼びかけて、会場を沸かせました。

 

「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

 「去年は歌舞伎座出演のためにうかがえませんでしたけど、今年は出演できて本当にうれしゅうございます。千穐楽まで一所懸命頑張ります。よろしくお願いいたします」と、笑顔を見せたのは吉弥。「お初にお目にかかります」と切り出した桂三は、「芝居小屋の雰囲気をもつ劇場でございますと、私たち俳優もお客様をたいへん身近に感じ、お一人おひとりが、まるで私の親類縁者のよう。お客様にもより身近にお芝居を感じていただきまして、お芝居の中の物語にお客様も参加してお楽しみいただけますと幸い」、と語って出石の皆さんの心をつかみました。

「第十一回 永楽館歌舞伎」鏡開きに出演者勢ぞろい

 温かく迎えられた四人は、質問コーナーでも気さくに回答し、会場から何度も大きな笑いが起きました。せりふの覚え方を聞かれ、「喫茶店で覚えます。下を向いてぶつぶつ言っている怪しい人がいたら僕です」と答えたのは愛之助。逆に、「動いていないと覚えられない」のは壱太郎、吉弥は「せりふを書きだしたちっちゃなノートをつくります」。桂三は家族の見ていない自宅のベランダで覚えているので、「倅などは、これで舞台が勤まるのが不思議、と思っているそうでございます」。

 

 舞台に出るときに緊張しないか聞かれ、「出の前に話をして大笑いし、よし、行こう、という感じ」で、緊張しないと愛之助。その話相手の壱太郎は、「どんなにリラックスしていても、出番の一瞬前に緊張します。なんでそのまま出られないのか…、役者の性(さが)ですね」。吉弥は子役だった吉太朗の言葉を引合いに、「お稽古を十分に積んでいる、役になっていると平気、怖くないんだと教えられました」。桂三は別格。「初舞台から一遍も緊張したことがございません」と驚かせ、失敗しても平然とできる「ずうずうしさも役者には必要」、と答えて拍手を浴びました。

 

 賑やかな笑い声と拍手で盛り上がった質問コーナーのあとは、公演の成功を祈願して鏡開きを行い、花束贈呈に続く大阪締めで、めでたく歓迎セレモニーが終了。明日の初日につながる賑やかなひとときとなりました。 

 出石永楽館「第十一回 永楽館歌舞伎」は、10月18日(木)から24日(水)までの公演。チケットは、出石永楽館(0796-52-5300 公演期間中9:30~16:30)までお問い合わせください。

2018/10/17