歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



 きものを着たときにはそれにふさわしい立居振舞いを心掛けたいものです。優雅に振舞うコツをつかんでいれば、きものを着ることに、より親しみを感じることでしょう。今回は、さまざまなシーンで役立つ美しいきものの立居振舞いについてご紹介します。

 美しいきもの姿を保つには、まず背筋をきちんと伸ばし、お腹を出さないように気を付けることが大切です。また、きものを着た際の立居振舞いのポイントは、裾さばきにあるとも言われています。つま先が開かないように足をそろえることを常に意識すると、裾が広がらずきれいな裾さばきができます。

階段に対してほんの少し右を向く。
 

階段の昇り降り

 階段の昇り降りの際には、荷物やバッグを左手に持ち替えます。あいた右手で上前を押さえるようにし、昇るときは階段に対して心持ち右を向くと裾が階段につきにくく、昇りやすくなります。また、振袖の場合は袖の両方を重ねて、左手で下から支えるように持つとスマートです。

歩幅はちょうど足の幅くらいに。
 

歩き方

 歩くときは背筋を伸ばし、上前をちょっと押さえて裾の乱れに注意します。歩幅はちょうど足の幅くらいにし、広くなりすぎないように気を付けましょう。また、足の運びを平行に、重心を体の中央に持ってくると安定した歩き方になります。

膝頭をつけ、足をまっすぐ手前に引くと美しい姿に。
 

座り方

 座るときは上前や裾が乱れないように、膝頭をきちんとつけるようにしましょう。帯の形を崩さないように浅く腰掛け、椅子の背に寄りかからないように気を付けることも大切です。足元は、まっすぐ手前に引くと、上前があがりすぎず裾がすっきりと見えます。また、振袖の際は、袖を膝の上できれいに重ねておくようにしましょう。

長沼静きもの学院

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