普段は洋服、大人になってきものは着ていない富永さん。でも、お正月にはぜひきものにチャレンジしてみたいということで、「長沼静きものひととき」の訪問着を着ていただきました。

最初に選んだのは、サーモンピンクの地色に梅が配された友禅の訪問着。もう一枚は、薄い水色に四季の花々が配された友禅の訪問着。洋服姿の可愛らしい富永さんとは、印象がガラリと変わって、ぐっと大人っぽく、しかもどちらも優しく華やいだ雰囲気。これぞ、“ザ・キモノ”の威力です。

 
 
 
本当に初めての”初めてきもの”
 成人式や卒業式で振袖は着たけれど、結婚式以外では、きもの経験はそのときだけ――という人、少なくないのではないでしょうか。一生に一度の場での晴れ着は、もちろんとても素敵です。でも、それできもの経験が終わりだなんてとてももったいないと思うのです。

 振袖を着たときのあのときめき。いつもとは全然違う自分を発見して盛り上がる気持ちはとても素敵だったのではないでしょうか。それをもっと味わってほしいのです。それに一番ぴったりな季節がやってきます! そう、お正月です。

 お正月が”初めてきもの”にふさわしい季節という理由の一つが、和を楽しむ場面がたくさんあること。初詣、新年会、新年のご挨拶、初芝居…。日本人でよかったと思う場面がたくさんあることでしょう。そんな場にきもので現れたら…。普段の姿をよく知った人も、あらためてあなた魅力を見直すこと間違いなしです。

 きものを着慣れた人も同じ。お正月ですから、いつも以上にきもの姿を楽しまれることでしょう。でも、そんなときだからこそ、今までとは違ったきもの姿に挑戦してみるいいチャンスなのでは? マンネリ打破にもお正月は絶好の機会です。

“初めてきもの”にふさわしいのは
 初めてへの挑戦はなかなか勇気がいるもの、と思われる人も少なくないでしょう。新たな自分が発見できるかもとはいえ、予算が…という人に朗報! レンタルきものです。

 様々な種類の中から、プロがあなたにぴったりの一枚を選んでくれるですから、まったくの初心者だったとしてもとても安心。かつ、ただきものを貸し出すだけでなく、着付、ヘアメイクもセットになっているレンタルもあるのです。これはもう超安心。では、お正月にチャレンジする”初めてきもの”には何がふさわしいのでしょうか。

 季節を大切にするきものには、お正月にふさわしいとされる柄があります。一つは松竹梅や宝づくし、吉祥模様などのおめでたい柄。もう一つが、初春を思わせる季節柄。草花ならば梅や水仙がぴったりです。1月は一年で最も寒い時期ですが、季節の先取りがきものの基本ですから、初春を感じさせる色柄が素敵です。

 ちなみに、”初めてきもの”でよく選ばれるのはオーソドックスなタイプのものが多いのだそうです。色も淡いピンク、水色、クリームなどのキレイ色。これらの地色に吉祥柄、たとえば四君子や青海波といった古典柄が美しく配された訪問着や付下、小紋。ありきたり? いえいえ、オーソドックスであるということは、それだけ誰からも好感をもたれるという証し。きもののよさがストレートに伝わる、これぞ“ザ・キモノ”です。

 普段、きものに馴染みの薄いのであれば、“ザ・キモノ”な一枚で、きものがいかに自分を素敵にしてくれるのか、という基本を味わってみてはいかがでしょうか。

長沼静きもの学院

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