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上演時間が長い歌舞伎観劇に“食”は切っても切れない重要な要素。皆さんは観劇の際のお食事はどうしていますか? お弁当派と食堂派に大きく分かれると思いますが、今回はお食事どころに注目してお話ししていきましょう。 “ここはひとつ豪勢に”と2階の「吉兆(※1)」で高級料亭「吉兆東京」の松花堂弁当をいただくか、“観劇の王道”と2階の「ほうおう」や「地下食堂花道」でいただくか。1階西の「喫茶室檜(ひのき)」でサンドイッチとコーヒーを、はたまた3階席で観劇するなら、サッとすぐ食べられる「カレーコーナー」に向かうのか…。“食堂派”の中には座館から一旦出て、西の「日本料理木挽町」で一息ついたり、「歌舞伎そば」に駆け込む方もいるかもしれませんね。 “そば”といえば、以前は館内の3階にそばの専門店「そば食堂」があった、とご記憶の方も多いのでは? 幕間(まくあい)に合わせて職人さんがそば粉をこね、こだわりのだしを使った出来立てのそばはとても人気がありました。そば食堂は平成18年(2006年)になくなりましたが、館内で観劇前に予約をすれば、そば職人が作るおいしいざるそば、天ぷらそば、なめこそば、やまかけなどは、今も地下食堂花道でいただくことができます。 長年歌舞伎座に通っている方はお分かりと思いますが、館内のお食事どころは様々な変化を遂げています。まず、この30余年のうちで大きな転換期となるのが、歌舞伎会館の取り壊しと、歌舞伎会館と歌舞伎座本館(劇場部)を繋げている部分の改築。ここは“歌舞伎座別館”(上の写真2点)と呼ばれていました。 歌舞伎座別館には、昭和29年(1954年)から50年(1975年)まで、ティールーム、鮨食堂、広々とした特別食堂など、本館より瀟洒なお食事どころがあったそうです。当時は、本館にも420名(!)収容できる地下大食堂がありました。それでも各食堂は混雑していたそうですから、歌舞伎座の大きなお食事どころはまさに日本の高度経済成長期(1955年?1973年)の熱気とともにあった“時代を象徴するお食事どころ”と言えるかもしれません ※1:「吉兆」の「吉」の文字は、正しくは土に口と書きます。
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歌舞伎愛好家、エッセイストとしてもお馴染みの元NHKアナウンサー山川静夫さんに、青春の思い出と歌舞伎座の「食」にまつわるお話を伺いました。
今回は歌舞伎座の中の売店におじゃまして、お馴染みのおやつにまつわる、さまざまなお話を伺いました。今度歌舞伎座で観劇する時に役にたつ情報もお伝えいたします。
歌舞伎座の「食」をめぐるシリーズの4回目となる今月は、歌舞伎、そして観劇に切っても切れない"縁(えん)"のあるそばのお話です。
おしゃれをして早朝から出かける一日がかりの芝居見物は、大名から庶民までが楽しむ究極の娯楽。幕間時間もたっぷりあったので、その間に味わう食事の楽しみは格別だったようです。
さよなら公演で賑わう歌舞伎座。その厨房にお邪魔し、どのように料理を作り、最も良いタイミングで提供しているか、などを取材しました。
長い歌舞伎座の歴史の中で見れば、ほんの一時期の風景ではありますが、歌舞伎座の「食」どころにまつわる思い出を少しだけ、たどってみることにいたします。