歌舞伎いろは

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脂っこさも臭みもなくジューシー!鴨肉本来の甘みと旨みがギューっと凝縮した「鴨ロース」

 鴨鍋や鴨南蛮など、鴨肉からしみ出す脂のこってりとした旨みは格別です。とはいえ、この脂が同時に味に特有のくどさを与えてしまうことも。余分な脂を徹底的に落とし、特製のだしで味付けしたのが、近江長浜「一湖房の鴨ロース」です。

 使用する鴨肉は、京都で契約肥育しているチェリーバレー種を厳選。刺身で食べられるほど新鮮なものを使っています。丁寧に下ごしらえした鴨肉は、フライパンでじっくり焼いていきます。しみ出た脂はすべて捨て、日本酒でフランベして、フライパンに浮き出た脂まで一掃。さらに湯通しで余分な脂を落としきります。これを自家製の醤油につけこんで煮浸しした後、さらに特製のだしと一緒に袋詰め。手間暇を掛けて完成する「一湖房の鴨ロース」には、鴨肉本来の甘みと旨みのみが凝縮。ジューシーな柔らかさはいうまでもありません。

 そのまま好みの厚さにスライスして、白髪ネギやからしを添えておつまみに。鴨ロースの漬け汁をそばつゆに少量加えた本格的な鴨南蛮そばも楽しめます。薄切りにしてパスタにあえても美味。また、同じく「一湖房」の人気商品、鴨肉を白味噌に柚子を合わせた特製味噌につけ込んだ「鴨の味噌漬け」も後を引く味わいです。

滋賀県長浜市「一湖房」野中 敬三さん


左/血合いや血管を丁寧に取り除き、隠し包丁を入れていく手間のかかる下ごしらえ
右/日本酒の炎で、フライパンの中の脂をさっぱりと洗います。

左/鴨肉から出た余分な脂は、すべて捨て去ります。
右/三種類の醤油をブレンドした特製だしで、じっくりと煮浸し。


歌舞伎「食」のおはなし

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