歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



くいくい飲める。昔ながらの製法でつくられた甘みと酸味が溶け合う「昔むかしのどぶろく」

 創業明治23年、古くから地元の藩主御用達として長い歴史のある酒蔵の7代目で杜氏の目野信太郎さん。米どころの筑後地方の特長を生かしたお酒を作りたいと考え、地元で収穫された米を用いての「どぶろく」作りを思いつきました。

 目野さんが使用する米は、酒米ではなくうるち米。地元の品種ヒノヒカリです。米粒の大きさが60~65%になるまで精米する(磨く)ことで、米の甘みを引き出します。仕込み水には、水郷柳川の豊富な地下水を使用します。

 こうして出来上がったどぶろくは、乳酸発酵による柔らかい酸味と甘みがあり、飲み口は比較的軽やかで親しみの持てる味。アルコール度数は12度と、一般的な日本酒よりも低めに仕上げています。国内で認可されているどぶろく製造メーカーは限られているだけに、希少な「どぶろく」です。

福岡県柳川市日野酒造7代目で杜氏の目野信太郎さん

地元筑後産のお米を使用し昔ながらの製法で醸造

品質を左右する、米と麹を合わせる作業。何度も温度計で適温であるかを 厳しい目でチェック

木樽にふたをして、保温。自然に温度が下がる間に、仕込んだどぶろくが糖化・発酵を始め、平均20日ほどでどぶろくが完成


歌舞伎「食」のおはなし

バックナンバー