歌舞伎いろは
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旅の服装は、草鞋、手甲、腿引き、脚絆、笠、そして合羽など。女性は合羽の代わりに浴衣を被ったそうです。また、笠ではなくお洒落に手ぬぐいをいわゆる「姐さん被り」にする姿も見られました。
街道は人馬継ぎ立て方式で運営されており、1つの宿場から馬で人や荷物を運んだら、次の宿で積み替えてリレーする仕組みでした。写真は中山道の馬籠宿。

其の三 旅先だから乗ってみたい

 旅に出るとなったら、旅支度も必要です。笠や、腿引き、脚絆など、機能的で便利な旅のアイテムです。また、普段は町人の帯刀は禁じられていましたが、旅の間は「道中差し」という小刀を身につけることができました。また女性の場合は、笠ではなくお洒落に手ぬぐいをいわゆる「姐さん被り」にする姿も見られました。

 また旅先では、庶民も駕籠や馬を利用できました。駕籠の料金は安くはありませんでしたが、坂や山道などではありがたいものでした。ただし乗りつけない乗り物ですから、駕籠酔いしてしまう人も多かったようです。

 また、宿場では馬や人足の手を借りることもできます。そもそも宿場には、公用として人足や馬を用意することが義務づけられています。江戸の町中で庶民が馬に乗ることなど許されませんでしたが、宿場の馬や人足が空いていれば庶民でも利用できました。もちろんこちらもお金のかかることですからかなりの贅沢ですが、やはり旅に疲れた者や先を急ぎたい者にとっては嬉しい乗り物だったことでしょう。

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