TEPCO くらしの今と昔
七五三は、もともと行っていた武家では質素でしたが、江戸の町では豪華な行事になりました。男子は3歳に「髪置き」で髪を伸ばしはじめ、5歳で初めて袴を身につける「袴着」の儀式をします。女子は7歳で「帯解き」を祝い、付け帯ではないきちんとした帯を用いるようになります。 |
花又の鷲大明神。当時は酉の市を「酉のマチ」と呼びました。通常は11月中に2回開催ですが、火事が多い年には3回になりました。縁起物の熊手は、遊女屋や茶屋、料理屋、船宿、芝居関係者などが、家業の繁栄を願って天井に吊るすものです。なお、酉の市の際は、吉原が特別に大門以外の門も開けたので、見物がてらやってきた人々でごった返しました。 |
其の三 さまざまな願いを込めて
当日の神社は、年のうちで一番というほどの混雑ぶりです。沿道には、祝いの飴やおもちゃを売る店がずらりと並びます。神楽殿では厳かな神楽を奏しています。活気あふれるなか無事に参詣し、我が子のさらなる成長を願います。その後は親戚への挨拶回りで、夜は親類縁者を招いての宴会です。七五三は、主役である子どもたちだけでなく、大人にとっても大きなイベントでした。
11月の酉の市も江戸の大切なイベントです。古くから有名なのは花又の鷲大明神で、すぐそばに吉原があり、芝居の盛んな猿若町の近所でもありました。この神社の酉の市には、きれいに髪を結い足下の履物まで美しく華やかな人々が集まったので、それはゴージャスな風景だったそうです。ここで買い求める縁起物の熊手には、これから先の1年への願いが込められています。
新歌舞伎十八番の1つ『紅葉狩』では、紅葉が盛りの戸隠山で平維茂(たいらのこれもち)が、高位の姫君に姿を変えた鬼女を成敗します。元となったのは「紅葉」という名の美女が信州戸隠に流され、その後、討伐されたという伝説です。
くらしの今と昔
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