
TEPCO くらしの今と昔
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| 雑煮はもともと保臓(ほうぞう)と呼ばれていました。五臓を保養するという意味です。ゆっくり休める年のはじめに身体を慈しみ、1年の健康を保つという、とてもヘルシーな食事です。江戸でもすまし汁ではなく味噌汁にしたり、大根、里芋、鶏肉あるいは蒲鉾を添えたりすることもありましたが、基本は質素な小松菜雑煮でした。 | |||||
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其の二 朝から福を浴びる
静かな海から太陽が昇り、明るい光を浴びるとすがすがしい気持ちになり、古き日々が去り、新しい年がやってきたことを実感できます。江戸の平和な世に感謝しながら、全身で今年の福を一気に受け止めることのできる、ありがたい瞬間だったようです。
めでたい正月は、食べる物もめでたいものをいただきます。雑煮は1年の健康を願い、貧富にかかわらず誰もが食べる、正月メニュー。ただし、地方によっていろいろな雑煮があるなか、江戸ではだし汁に醤油で味付けし、切餅と小松菜を加える程度のシンプルスタイルでした。鯛を添えることもない質素な雑煮は、家康が貧しいころを忘れないようにと自ら食すようになり、江戸中がならったものだそうです。
くらしの今と昔
バックナンバー
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							 つつましくも活気があった庶民の食当時世界でも有数の人口を誇った江戸。その大多数を占めた町人の食事はどんなものだったのでしょう。 
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							 季節に合わせた武家の衣年に4回の衣替えが定められ、式日には豪華な礼装を纏う。御台所を頂点とする大奥、それに連なる武家のファッションとは? 
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							 百花繚乱江戸の衣町人文化が花開いた江戸時代、都市の繁栄度合いが顕著に表れたのは、ファッションでした。そのファッションをリードしたのが、歌舞伎役者。 
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							 春の江戸の子供たち梅、桃、桜と江戸の春は花盛り。大人も子供も、暖かい風を楽しみに出かけます。数えで七つや八つになった子供たちにとっては春は「入学」の季節でもあります。 
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							 春の魔をよける江戸の町節分で季節の変わり目を迎えいよいよ春がやってくると木の芽や動物と一緒に、怪しげなものたちも動き出します。江戸の人々は、新しい季節を感じつつ厄を払います。 
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							 新春をもたらす江戸の初風呂江戸の正月は立春の近づく頃。明るさを増す陽射しに春を予感し、初風呂で身も心もきれいに心地良くなって、新しい年を迎えます。 
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							 美しく仕舞う年の末江戸の世でも師走はせわしいもの寒風ふきすさぶなか、町の家も、武家も、江戸城も、そしてお寺や神社も、新しい年に向けて磨きあげられていきます 
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							 紅葉狩りと長い夜ますます短くなる昼間を楽しみつつ、江戸の人々は祭りに仕事にと夜も休みません。 
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							 心静かに菊日和ますます寒い季節に向かうことを肌で感じながら、暖を取る道具と再会する日もやってきます。 
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							 2つの月見で秋を味わう朝や夕べの風に涼しさが混ざり、夕焼けの時間がみるみる早まってくれば、過ごしやすい秋の到来です。 
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							 きらびやかな雲上人 〜吉原 花魁〜着飾った花魁が、箱提灯や傘を掲げる若い衆に囲まれ、遊客を迎えにいく「道中」は、庶民の日常から切り離された夢の世界でした。 
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							 夏の江戸の暮らし方(2)〜女たちと夏の楽しみ〜じりじりと照り付ける夏の日差しを上手によけて暮らす江戸の夏。涼を呼ぶおやつや、遊びなど、暑さを積極的に楽しむ方法も数多くありました。 
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							 夏の江戸の暮らし方(1)~女たちと食事の支度~1日3食スタイルが定着する一方で、手間をかけなくてもおいしく楽しめる江戸の食が発達していきます。 
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							 都会の住み方 ~江戸女たちの社交場~都会の魅力にひきつけられた人々が絶え間なく集まってきた江戸はやがて世界一の巨大都市となりました。 
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							 おんなを磨く湯 ~女の園の風呂事情~数百人からの女性たちが仕えた江戸城大奥。女の園は、お風呂も一味違います。 
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							 歩いて乗っての江戸っ子旅道中「いとおしき子には旅をさせよ」 そんな言葉に駆られるように 江戸っ子たちが旅に出かけていきます。 
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							 江戸リサイクル事情 めぐりめぐる江戸の町壊れた物は修繕し、紙くず一つも無駄にしない。物は巡り、町は美しさを保ったのです。 
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							 冬を楽しむ江戸っ子の工夫寒い寒い江戸の冬。暖かさを求めて、江戸っ子も工夫をこらします。 
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							 良い湯を楽しむ粋でおしゃれな江戸っ子たちも、日々の疲れを癒してくれる湯けむりを楽しんでいました。 
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							 時代を超えて食を支える台所朝がやってくれば、竈から煙が立ち上ります。シンプルで無駄を省いた長屋暮らしでも台所は家ごとにある大切な場所でした。 
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							 江戸のあかり、現代のあかり夜が闇で満たされる江戸の世では、小さなあかりが、闇に住む妖魔や悪鬼から人々の心を守っていました。 




