歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



角切銀杏(すみきりいちょう)は中村座のシンボル。江戸時代の錦絵にもよく見られるお馴染みの櫓紋だ。

玄関で靴を脱ぎ裸足で床や階段の木の感触を味わいながら中へ。場内を照らすのは芝居小屋の空気を壊さない柔らかな照明

「芝居小屋」の風情を味わう

平場から見た昼の部開場前、準備中の舞台。夜の部『太閤桜』の終盤では、舞台後ろが開放されるとライトアップされた大阪城が現れる。

桜席から見た、『紅葉狩』の上演前、昼の部幕間の舞台の様子。『紅葉狩』の幕切れでも舞台後ろがオープンし、大道具の紅葉が鮮やかに現れる。

桜席から見た、夜の部『俊寛』開演前の舞台。屋根にこんぶを渡しただけの粗末な俊寛の“住まい”をこの角度から見られる貴重な機会。

平成中村座2階の立見席。番号で場所が確保されている。左右の幅にゆとりがあり、劇場全体が見わたせる。

 今回の大阪公演で建てられた「平成中村座」は、2000年の浅草・隅田公園での興行以来10年の歴史を刻む、歌舞伎専用の移動式仮設劇場です。平成中村座と銘打った期間限定の公演は、既存の劇場で興行することもありましたが、2004年のニューヨーク公演では劇場を船便で送り現地に仮設劇場を建てました。

 まず、外観で目を引くのが正面入口の中村座の座紋を染め抜いた櫓と絵看板。そして中に入って客席内へ進むと、目に飛び込んでくるのが、柿色、黒、白の三色の中村座の定式幕と天井から下がった大きな提灯です。舞台前の平場席にも後方の椅子席にも揃いの座布団が整然と並び、近代的な劇場とは異なる柔らかな照明が「芝居小屋」の風情を引き立てます。

 “風情”といえば、この大阪平成中村座ならではの情趣を感じる舞台演出があります。それは、大阪城を背後にいただくこの立地でしか成しえない、舞台後方を全開して大阪城や庭園の緑を借景とする演出。開いた瞬間、思わず声をあげてしまうほどの美しい光景が眼前に広がります。

 そして、平成中村座ではおなじみの舞台上の2階にある桜席。定式幕の内側に位置しているので、開幕前や幕間の舞台裏が見物可能です。幕が閉まった後で桜席の観客に向かって手を振ったり、笑顔を投げかけてくれたりする俳優さんもおられるとか。こんな機会はめったにありません。心踊るステキな体験となるでしょう。
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平成 劇場獨案内

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