歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



義経が見たこの世の極楽浄土

 JR平泉駅からまっすぐ西に進むとまもなく毛越寺へと到着。本堂の右手に開けているのは、ゆるやかな曲線を描く大きな池のある広い庭園だ。浄土曼荼羅を現世に再現した「浄土庭園」である。この大泉ヶ池の向こう側にはかつての金堂や講堂の跡がそこかしこに点在している。その痕跡を頼りに伽藍をイメージするとまさに極楽浄土。夢のような世界がかつてここに実在していたのだ。

 

 この平泉の地にかくのごとき華麗なる文化を築いたのが奥州・藤原氏。毛越寺を造営したのは二代基衡で、義経が平泉を訪れ成長期の六年間を過ごしたのは三代秀衡の時代である。いまとなっては想像上の壮大華麗な毛越寺も義経には現実世界のものだったのだ。そしてそれは金鶏山を隔て毛越寺の北に位置する中尊寺も同様だ。

毛越寺(もうつうじ)

住所

 : 

岩手県平泉町平泉大沢58

TEL

 : 

0191-46-2331

営業時間

 : 

4月5日~11月4日/8:30~17:00
11月5日~ 4月4日/8:30~16:30

浄土を地上に表現したと伝わる浄土庭園
浄土を地上に表現したと伝わる浄土庭園
毛越寺を開いた慈覚大師円仁をまつる開山堂
毛越寺を開いた慈覚大師円仁をまつる開山堂

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