歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



康楽館での観劇風景

1、アカシア並木の「明治百年通り」 2、座布団敷きの客席 3、劇場の外は緑豊かな風景 4、提灯に描かれているのは小坂町のシンボル。人が三人寄り添った様子を意匠化 5、正面入口に飾られた提灯 6、常設公演終了後、役者とふれあう修学旅行生たち

和洋折衷の親密な空間

 東北道小坂インターと十和田湖を結ぶ「樹海ライン」と交差するアカシア並木の道、この「明治百年通り」が康楽館へのアプローチである。すぐそばを平行して走っているのは貨物専用として運行している小坂製錬鉄道だ。

 幟のはためく「明治百年通り」に忽然と姿を現すのは和洋折衷という珍しい建築様式を持つ白亜の建物。ここ、康楽館は毎年夏に「松竹大歌舞伎」の公演があることでも知られている。

 国の重要文化財に指定され、日本最古の“生きた”芝居小屋といわれる康楽館が建てられたのは明治43(1910)年のこと。空前の鉱山景気の中、小坂鉱山の福利厚生施設として誕生したのだった。

 アメリカン木造ゴシック風建築と称される外観は洋風だが、靴を脱いで上がる内部は提灯が飾られた純和風。錦絵などに描かれた江戸時代の芝居小屋さながらの趣だ。壁や柱、手すりの木肌からぬくもりが伝わってくる。平土間や左右の桟敷席にゆるやかな傾斜があるのは客へのやさしさ。本当に客席のすぐそばに舞台や花道がある。役者の息づかいが直に伝わる親密な空間であることは一目瞭然である。

康楽館

住所

 : 

秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字松ノ下2

問合先

 : 

0186-29-3732

定休日

 : 

年末年始(12月29日~1月3日)

入館料

 : 

常設公演と施設見学の場合  1,700円
施設見学のみの場合  600円
★三館共通券(康楽館・小坂鉱山事務所・郷土館)
常設公演(康楽館)と3館施設見学  1,900円
3館の施設見学のみ  900円

HP

 : 

http://kosaka-mco.com/

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