歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



佐渡に夢と富を運んだ北前船を再現した「白山丸」。

佐渡の富と文化を育んだ、人と物の交流

上3点/今も船を舫った杭が岸壁に残る宿根木の集落。ここにはまだ船頭や船大工たちの子孫が、街並みを大切に守りながら生活している。
中2点/金山の坑道の一部は見学コースに。人々が行動で働く様子も、驚くほど精巧なロボットやジオラマで再現されている。
下2点/神事能を行う佐渡宝生流の能舞台では、現在も年に一度定例能が行われている。

 佐渡の繁栄を語る上で、まず北前船は欠かせない。近畿地方から蝦夷地といわれた北海道までを結ぶ北前船の寄港地として栄えたのが、宿根木と小木だ。当時の暮らしを今に伝える「町並み保存地区・宿根木」は、“佐渡の富の三分の一が集まる”といわれ、廻船業に従事するものが多く居住。ここを拠点に、大型貨物船(千石船)を持つ船主たちと船乗りが、全国各地へと漕ぎ出していった。約1ヘクタールに110棟の家屋が密集するこの地区には、一見簡素ながら漆塗りの建材や1枚板の扉などが贅沢に使われる昔の船主の家や、船大工の技が随所に見られる三角の家などがそのままに残っており、当時の繁栄と人々の暮らしぶりを垣間見ることが出来る。

 次に金山。佐渡金山は江戸幕府の直営事業として開発が進められ、当時最先端の技術を持った人々が集められていた。地元にももちろん一大雇用を提供し、男だけでなく女子どもも掘り出された石の選別や坑内の明かり用の油配りなど、それぞれに働いていたという。暗い坑内での労働は決して楽ではなかったが、崩落防止対策や通風孔の確保、湧き水の運び出しなど安全管理はきちんと行われており、システム的にもかなり整備された職場だったようだ。

 佐渡の金山はもうひとつ大きなものを佐渡にもたらした。それが能だ。幕府の直轄地(天領)だったため、佐渡には折々中央から役人が派遣される。初代佐渡奉行の大久保長安は、自らも能楽師の家の出身であり、他に何名かの能楽師等を連れて佐渡へ赴任してきた。これをきっかけに、佐渡で能が盛んになる。最盛期は島内に200以上もの能舞台があったそうで、現在でも能や謡を習う人は多い。約6万5千人の住民に対し35棟の能舞台があり、年に20回以上も能が上演されているほど、現代では珍しい能の盛んな土地柄なのだ。

佐渡国小木民俗博物館 千石船展示館

住所

 : 

新潟県佐渡市宿根木270-2

TEL

 : 

0259-86-2604

営業時間

 : 

8:30~17:00

休館日

 : 

年末年始(12/29~1/3)

入館料

 : 

大人500円 小人200円

HP

 : 

http://www17.ocn.ne.jp/~hakusan/

史跡 佐渡金山

住所

 : 

宮新潟県佐渡市下相川1305

TEL

 : 

0259-74-2389

入館時間

 : 

8:30~16:30(11~3月)、8:00~17:00(4~10月)

休館日

 : 

年中無休

入館料

 : 

大人800円 小中学生400円

HP

 : 

http://www.sado-kinzan.com/index.php

小木ふれあいガイド(佐渡観光協会HP内)

HP

 : 

小木ふれあいガイド

佐渡行記

HP

 : 

http://sadokouki.web.fc2.com/

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