歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



江戸の風情を色濃く残す水郷・佐原
左/創業宝暦9年の老舗荒物店・植田屋に並ぶ和の日用品。右/環境庁の「残したい日本の音風景百選」に選ばれた桶橋の落水。
小野川や香取街道筋に今も残る古い建物が、佐原の町に独特の風情を醸し出している。そんな佐原の名物の一つが佐原張子。平成11年、兔年の年賀はがきに使われたのは、名人・鎌田芳朗氏の作品だ。

 江戸時代、佐原は関東・東北から物資を運び込む人、大消費地である江戸へと運び出す人でごった返して大賑わい。その賑やかさは年中絶えることがなかったという。また佐原周辺に広がる広大な農地からとれる米や雑穀、その加工品である醤油や酒も江戸へ運ばれていく。江戸からの戻り舟には呉服や日用品が山と積まれており、水路ではそうした舟が芋の子を洗うようにしてすれ違い、先を争って荷の揚げ降ろしをしていたそうだ。商業の要である物流を押さえた佐原の豪商たちは、江戸の進んだ知識や情報をいち早く取り入れて、豊かな文化をこの地に育んでいった。

 現代の佐原は、そうした昔の風情を残しながら街並みを整備し、観光資源として活用している。日本地図を創った偉人・伊能忠敬旧宅前の桶橋のたもとから出る観光舟で小野川を行けば、県指定の文化財になっている江戸や明治の名建築を眺め、石組みの荷揚げ場に往時の賑わいをしのぶことが出来る。着物が似合う町としても人気が高く、イベント開催時には「着物姿の方のみ特別サービス」が用意されることも。ゆっくりとタイムトリップ気分で歩きたい、佐原はそんな町である。

香取市観光情報

HP

 : 

http://www.katorishi.com/

佐原町並み交流館

HP

 : 

http://www.sawara-machinami.com/

 

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