歌舞伎 DE 自由研究「坂東亀三郎と藤浪小道具の倉庫を大捜索!十二支を探せ!」 歌舞伎 DE 自由研究「坂東亀三郎と藤浪小道具の倉庫を大捜索!十二支を探せ!」

作ってみよう

サルのお面の絵付けに挑戦

石膏せっこう張り子紙はりこがみを重ねて作った真っ白なサルのお面の絵付けに亀三郎さんが挑戦します。表面は「胡粉ごふん」と呼ばれる貝殻の粉を使って塗り固めてあり、その上から水性の塗料を使って色を付けていきます。亀三郎さんは「目からやりたい」と言うと、ていねいに目の色をぬり始めました。線がはみ出ないように水を使って下絵を描いてから色をぬるなど、手を抜かない几帳面さが伝わってきます。

机にはさまざまな色の絵の具が用意されていましたが、亀三郎さんはそのまま使うことはせず、混ぜ合わせながら理想的な色を作り、ぬっていきました。「赤!」「金色!」「黄色!」と直感的なひらめきを大切にしつつ、ほんの少しの色の加減にも気を使い、見事に作り出したサルらしい色合いのセンスの良さは、先生となってくださった藤浪小道具の工房の方のおすみつきを得るほど。

目、顔、歯、頭、髪、耳と次々とパーツを完成させていき、最後に目の周りの赤にとりかかると、「ぼかすのが難しい」と、ひと言。工房の方に「片ぼかし」という手法を教えてもらい、筆の半分に絵の具、半分に水を付けて、ていねいに仕上げていきました。

完成!こだわりポイントは「歯」

1時間半の絵付け作業をへて、お面が完成しました。亀三郎さんのこだわりポイントは、金や白、黒を使い、工夫をこらして描いた「歯」とのこと。感想をたずねると、「楽しかった!!」と、元気いっぱいに身体をゆらしながら答えてくれました。

写真/松竹写真室 構成/歌舞伎美人編集部

ご自宅でできる工作アイディア

①お面づくり
②小道具折り紙

狐面 お面

お面は、100円ショップ等で手軽に手に入る材料で作ることができます。


■用意するもの

新聞紙、紙粘土、サランラップ、和紙、でんぷんのり、水、アクリル絵の具

①新聞紙等の土台の上に、紙粘土で作りたいお面の型を作り、十分に乾燥させます。

②型の上にサランラップをかぶせ、ちぎった半紙を6〜10層ほどになるように薄めたでんぷん糊で張り重ねていきます。1日ほど乾かせば完成。

③アクリル絵の具で、自由に絵付けを楽しんで!

折鶴 小道具折り紙

藤浪小道具さんがオンラインで公開している「小道具折り紙」にもぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。リンクからデータをダウンロード・印刷して工作をすることができます。

『仮名手本忠臣蔵 五段目』いのししおりがみ

『極彩色の蝶』おりがみバージョン

9月の歌舞伎座の舞台では、今回発見したネズミとウシをはじめ、さまざまな動物が活躍します。工夫がこらされた小道具たちとの、劇場での出会いをぜひお楽しみに。

秀山祭九月大歌舞伎しゅうざんさいくがつおおかぶき

2023年9月2日(土)~25日(月)

登場する予定の動物:

昼の部 『祇園祭礼信仰記』 「金閣寺」…ネズミが登場/『土蜘つちぐも』…土蜘の精が登場

夜の部 『菅原伝授手習鑑』「車引」…ウシが登場/『連獅子れんじし』…獅子ししの精、ちょうが登場