博多座開場25周年 劇場写真館 博多座開場25周年 劇場写真館

 今年25周年を迎える博多座。
 平成11(1999)年6月に開場して以来、博多の地で、たくさんの素晴らしい舞台をお客様に届けてきました。
 歌舞伎や、ミュージカル、宝塚歌劇などを中心とした、さまざまな商業演劇の多様な演出に対応できる懐の深い設備を持つ博多座は、ここで公演を行った出演者や舞台スタッフからも絶大な支持を得ています。
 また、舞台の隅々まで見やすい客席や華やかなロビーをはじめとする設備、上質のサービスや厚いホスピタリティにあふれる劇場は、訪れるお客様の心もとらえて離しません。
 今回は、四半世紀もの間、博多の地で夢の時間を生み出し続けてきた、博多座の魅力に迫ります。


 平成元(1989)年、当時の福岡市長が、「福岡市には地下鉄や博物館、ドーム球場などさまざまな都市施設がそろっている。あとは本格的に歌舞伎を上演できる劇場が必要だ」と語ったことや、劇場を望む市民の声の高まり、下川端地区の再開発事業などがきっかけとなり、博多座開設に向けて動き出しました。

 そして、経済界・興行界・行政が一体となって演劇興行を行う、日本で初めての劇場として誕生。平成11(1999)年5月に開場記念式典「博多座開き」が実施され、6月「博多座開場披露 杮葺落大歌舞伎」で開幕。十二世市川團十郎による『勧進帳』、『恋湊博多諷』、七代目尾上菊五郎による『與話情浮名横櫛』、『弁天娘女男白浪』、四世坂田藤十郎(当時三世中村鴈治郎)による『京鹿子娘道成寺』、『芦屋道満大内鑑』と、豪華な顔ぶれが集結し、名作が披露されました。

 その後、平成20(2008)年には累計入場者数500万人を突破し、令和元(2019)年には1000万人を達成。市内を活気づける一役を担いながら、ついに25周年を迎えました。

 令和6(2024)年は、25周年を記念した自主制作公演、記念装飾はもちろん、U25当日特別料金の設定、さらに記念グッズの開発などさまざまな取り組みが注目を集めています。詳しくは25周年特設サイトをご覧ください。


上質の劇場空間

 エレガントなエントランスから劇場に入り、エスカレーターで上った先には、まるで豪華客船の中のような、ラグジュアリーな雰囲気が漂うロビー空間が待っています。劇場内のレストランや売店なども充実しており、幕間の時間はお食事やお土産選びもじっくりと楽しめると人気です。客席は、どの席から見ても舞台が観やすい3層構造で、組み立て式の花道、オーケストラピットも備えます。


 あらゆる演劇を上演できる劇場を目指して建てられた博多座は、演出の可能性が柔軟に広がる施設として、舞台の制作側からも高い信頼を集めています。俳優が舞台や客席上をワイヤー吊りで移動する演出の“宙乗り”では、花道の上をまっすぐ飛ぶことはもちろん、舞台の下手から客席後方の上手側へと客席上を横切るように飛ぶ“筋交い”の宙乗りも可能で、その迫力は観る者をあっと言わせます。また、例えば楽屋廊下の幅は、衣裳をまとった俳優同士が楽にすれ違えるほどの余裕があるなど、使いやすさにも定評があります。ここではそんな博多座の舞台機構や裏側をご紹介します。

宙乗りのための鳥屋のつくり方~筋交いの宙乗り編~

花道のつくりかた

バトン、盆・迫り、オーケストラピット、大道具

~博多座スタッフのコメント~

 博多座は、設計段階で歌舞伎はもちろん大型ミュージカルの上演も想定して設計されており、スーパー歌舞伎のような、大がかりな舞台演出との相性も抜群です。(二世)市川猿翁さんが博多座を“スーパー歌舞伎座”と呼ばれた、というエピソードも生まれました。


 博多座に来たら見逃せないのが、劇場ロビーの隅々に施された細やかな工夫です。公演に合わせた飾りつけや、アクスタなどをかざしてご来場記念の写真が撮れるミニチュアフォトスポットなど、観劇のみならず劇場で過ごす時間そのものを楽しめる空間が広がります。こうした劇場の魅力やスタッフの生み出すホスピタリティが、訪れた人の心をつかんで離しません。分かりやすい動画が好評の検証シリーズ、ふりがなチラシをはじめ、これから舞台を観ようとする新たなお客様に向けた趣向にも注目が集まります。

前のめりは後ろの席の視界をどれくらいふさぐ?

スマートフォンとスマートウォッチの光はどれくらい目立つ?

「超歌舞伎2022 Powerd by NTT」大向う音声入りペンライトの使い方

~博多座スタッフのコメント~

10月のスーパー歌舞伎『ヤマトタケル』に向けて、今回も飾り付けを行いました!テーマは「スーパー博多座」です。ご来場の際には、ぜひ場内各所にちりばめられた装飾にもご注目ください!


 博多の街の中心部に立つ博多座。福岡空港や新幹線の博多駅からもアクセスがよく、国内各地から日帰りで観劇に行くことも可能です。また、観劇の前後に観光やグルメを楽しみながら、博多でのひとときを堪能することができます。劇場周辺で開催される公演の関連イベントは季節の風物詩にもなり、劇場の存在が、博多の街に根付いていることがうかがえます。


 博多座の魅力を余すことなく楽しめる、スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』がまさに今秋、11年ぶりに博多座で上演中です。この10月、スーパー歌舞伎仕様に変身した“スーパー博多座”で、作品と劇場を心ゆくまでお楽しみください。

スーパー歌舞伎
三代猿之助四十八撰の内

ヤマトタケル

2024年10月8日(火)~22日(火)

昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30分~
【休演】15日(火)

劇場:博多座

博多座公式サイト