歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



琴平 ― 旅人たちを熱狂させた舞台

香川の旅のはじまりは琴平から。瀬戸内海を臨む丸亀平野の西端に位置する琴平は、“こんぴらさん”の愛称で呼ばれる金刀比羅宮の門前町として、今も多くの参拝客が訪れます。

参道の石段
参道の石段
10月の琴平は氏子祭ではじまる
10月の琴平は氏子祭ではじまる
昭和51年に移築・改修工事を受け、現在の場所に。
昭和51年に移築・改修工事を受け、現在の場所に。
階段の脇にならぶ燈篭
階段の脇にならぶ燈篭

琴平山の中腹にある大社への表参道の途中を少し脇に入ると、静かな佇まいをみせる旧金毘羅大芝居(金丸座)があります。1835(天保6)年建築の現存する日本最古の芝居小屋で、国の重要文化財にも指定されています。

江戸時代より、長い石段を登って“こんぴらさん”に参拝し長旅の疲れを旅籠で癒したあと、人々を愉しませたのは芝居小屋での興行でした。当時、東西の名優たちは、こぞって四国を訪れ、金毘羅大芝居の桧舞台を踏んだのです。